【詳細版】外資系企業での海外赴任を通して気が付いたこと~欧州言語・文化編~
さて、文化や言語です。
仕事や生活をするにあたって、地味に効いてくるのがこのエリア。
各国いろんな慣習やルールがありますし、人々の性格や雰囲気を違ってきます。
これに慣れ、新しい環境に飛び込んでいくことに高いハードルを感じる人もいると思いますが、外国人であれば皆さん懐広く教えてくれますし、知らなくて当然と開き直って構いません。
だって、しらんもん!
ぶっちゃけ、現地の人と仕事をしたりすると、文化的な理解は早くなります。
が、そこのお前は英語でコミュニケーションを取り合う会社にいたので、あんまり英語以外の言葉を習得できませんでした。
ですが、片言でも使うと喜ばれます笑
すごいのが欧州だとバイリンガル、マルチリンガル当たり前なんですよね。
日本人は日本語を習得するにも大量の時間をかけますし、類似の言語が韓国語ぐらいしかないので、そのあたりの感覚は非常に違います。
特に欧州ではイタリア語、スペイン語、ドイツ語、フランス語など混ざり合っている国や地域もありますし、それぞれがその他の言語と少し似ていたりもするので 習得へのハードルは低めみたいですが、それにしても本当に流ちょうに多言語を話します。
次に文化的な部分ですが、最初は本当に戸惑います。
これはやっていいのかとかこういう時普通どうやってコミュニケーションをするかとか。。。
ビビりのそこのお前には少しハードルが高かったですが、結局ビビっていても駄目ですし、待っていたら完璧な正解が降りてくるわけでもないので、行動してみることにしました。
そういう日本もいろいろと作法やマナーが暗黙の裡に様々踊っているため、外国人にとっては奇異に映る時もありますよね。
そして、今までの思い込みや先入観などは結構覆されました。
欧米の連中はなんでもストレートに主張するかと思っていましたが、彼らも普通に本音と建て前あります。
日本の慇懃無礼ほど極端ではありませんが、適当にほめてかわすというのは結構あります。
「うんうんいいねいいね」で終わったら特に響かなかった証拠で、その後に何をしようかとかどうしようかとかが具体的に決まったり、話が広がったりすると非常に受け入れられた証拠です。
などなど。。。
まぁそんな日本時代にどこからともなく刷り込まれた余計な思い込みを排除することから始まったわけですが、
個人的なイベント
・誕生日等
なんと、自分の誕生日には自らケーキや料理を持参し、「今日はおれの誕生日だぜ!ヒャッハー」といって、みんなに振舞います。
(※子供は別ですが、大人や会社の関係ではこんな感じです。)
これが結構衝撃的でしたが、案外みんなチームのほかの人の誕生日を楽しみにしています。
これが、社内の誰かの昇進・異動(出入り両方)も同じで、基本出ていく人がありがとうの意を込めてケーキを振舞ったりします。
もちろん、送別会的なものはありますし、感謝の言葉を書いたメッセージカードも渡されますが、お返しに何かということでケーキだったりします。
・休暇等
彼らは休暇命です。
いかに休暇をエンジョイするかばっかり考えています。
欧州は国によって少し違いますが、短くて2週間、長くて4週間程度連続して休暇を取ります。
(欧米には日本のような祝日追加の3連休みたいなのがほとんどありません。その代わりに一気にまとめてとるといった感じです。)
え!?その間に仕事が回らないんじゃないかって?
はっきり言って、回りません。
もちろん定常業務などに深刻な影響が出ないように最低限のカバーはし合います。
ですが、確実に質は落ちますし、プロジェクトなんかを抱えているとそのプロジェクトは止まります。
プロジェクトの担当者の片っぽが8月全休、もう片っぽの担当者が9月全休で2か月全く動かないなんてこともたまにあります。
ただし、チーム単位でうまくスケジュールをやりくりしたり、プロジェクトサイドはある程度休むタイミングを合わせたりして悪影響をかわそうとする調整もしていますが、どうしても長く空白が発生する場合がでてきてしまいます。
でもそこはさすが欧州。みんな休暇のために働くので、「休暇ならしょうがない!」って割り切っちゃいます。
日本のように「俺は休暇じゃないのにお前は休暇を降りやがって!」なんていう自縄自縛の悪平等はありません。「お前が休暇取るならおれも取るから文句言うなよ!」というハッピーな持ちつ持たれつです。
この休暇を担保するために欧米人は仕事を人に依存せず、簡単に他の人でもバックアップできるように仕組みづくりをしているんじゃないか?と思うほどです。
国のイベント
・国民の休日、国民の慣習、ルール
これは国や地域によってさまざまです。
国のイベントがあったりすると、お祭り騒ぎな時もあり、その国をしっかり感じることができます。
ドイツのオクトーバーフェストなんかは有名ですし、オランダにも4月に国を挙げたお祭りがあります。
そのほかにも地域的なお祭りから国全体のお祭りまでいろいろあります。
特にクリスマスなんかは非常に多様なイベントが用意されており、お菓子・料理も普段は並ばないものが並んでいます。
これらを事前に把握しておくと、普段は手に入らないものが手に入ったりするので、めちゃくちゃ楽しいです。
ですが、落とし穴もあり、国民に共通するルールや慣習を知らないと恥をかいたり、白い目で見られたりします。
チップ文化なんかが非常にわかりやすい例ですが、チップを払わない客であることがわかると途端にサービスレベルが落ちたりとか無愛想になったりとかしますね笑
その他にも飲酒を控えるべき日とか、買い物の時のちょっとした礼儀などを細かく見ていくと本当に様々な彼らの「常識」があります。
これらをすべて把握するのは不可能ですが、まずは受け入れるところから始めましょう。
その他細かな違い
最後に、ちょっとした個人レベルの違いに着目しますが、
・プライベート時間の過ごし方(特に平日夜)
これが本当にうらやましいです。
すぱっと仕事を切り上げて、家に帰り、6時や7時には家族とゆったりご飯を食べて一日のストレスをリセットします。
家族の時間が潤沢にあり、なるべく疲れやストレスを溜めないように日々を過ごす彼らは本当にのびのび家族の時間を楽しんでいます。
また、多くの人がジムに毎日通ったり、ランニング等をして運動をします。
日本の部活文化みたいな運動の仕方は欧州にはなく、常に楽しむ目的でスポーツをやるので、やりたいだけやってノルマやトレーニング効果はあまり重視しません。
もちろん、健康維持目的や肉体増強を趣味とする人もいるので、合理的に必要な量を行う人もいますが、本当に楽しそうにスポーツをやります。
・個人の距離感
これが多くの日本人にとっては最初非常になれない部分です。
とにかく彼らはよくあいさつし、よく笑顔をかわします。
特に知らなくてもエレベーターでたまたま相乗りしたとか、電車で隣同士になったとかでも特に目的や意図はなく挨拶したりします。
しかも、それが常にそうなわけでもないので、どういう時は挨拶すべきかなどを考え込んでしまってあたふたしたりしました。
店員さんやタクシードライバー、その他サービス業の方々とも普通に明るくフランクに話しますし、にこやかな雰囲気が多いです。
とはいっても、彼らは個人的な距離感が近いわけではありません。
ただ、他人と関わるかかわり方が根本的に日本人と違うのです。
他人とのコミュニケーションのハードルが非常に低いので、ちょっとしたことでも会話になりますし、それで気持ちが楽になったりもします。
(※最近はスマホが発達したので、スマホばっかり見ている人も普通にいますが笑)
日本人のように、サービス業における画一的なマニュアル対応は非常に少なく、サービスの目的に応じて、各人の個性を生かした積極をするというのが主流の考え方だったりします。
また、仕事中であっても他人と不用意に口を利くべきではないという壁の高い距離感は存在せず、最初からコミュニケーションは積極的に取りに行くスタイルです。
いい笑顔とあいさつする勇気があれば問題ないですが、そこのお前のように人見知りが出まくると、硬い笑顔とぎこちないあいさつで慣れるのに時間がかかります。
ですが、これを繰り返すと自然にできるようになってきますし、心にも余裕ができてきます。
いいなぁ、、、日本でもこういう感じでできるようになったらいいのになぁなんて思います。
お客さんのところへ出向くときの謎の失礼をしてはいけない緊張感やこちらがお客さんの時のかしこまった態度。
今思うと本当にいろいろな仮面をつけなければならない日本は本当に大変だったなぁなんて一人で感じています。
これぐらいにこやかな雰囲気で行けるならそこのお前も人見知りになんかならないで済んだんじゃ・・・みたいな(笑)
そんなことを感じながら、日本以外ので暮らしたときに徐々になじんでいく感じを味わうのも魅力の一つと思ってポジティブさを忘れないでください。
今日のところは以上です!