そこのお前の外資系勤務と与太話ブログ

凡人が行く外資系企業勤務やキャリアの与太話や裏話。緩いのと辛いのまぜまぜ。人見知りやビビりだって人生案外イケるじゃんって思ってもらうための与太話。毎週月曜・水曜・土曜日更新予定

【働き方】人生とキャリアの踊り場を作る看護師の話【キャリア】

 

 

 

そこのお前は大学生時代に2か月間ヨーロッパを放浪していた。

 

 

いわゆるバックパッカーだ。

 

なるべく低コストの旅行を続け、航空券代と鉄道乗り放題のパスを除けば一日平均15€という生活をしていた。

(※お土産用のお金がたくさんかかったが。。。。。)

 

そんなか、各地の各安宿では日本人とちらほら遭遇する。

 

その中に割と多く遭遇したのが、「看護師」である。

 

男性も女性もいたが、結構な率で遭遇した。

 

しかも結構な長期間、各地をゆったり旅行している人が多かった。

学生が決してマネできないゆったりぶりだったことを覚えているし、「生き急いでるねぇ。。。」なんて言われた。

 

その時は意味が分からなかったが、確かに言われてみるとそうだ。

 

学生だったそこのお前にとってはとにかく時間が限られているとばかりに全力疾走を繰り返して短期間のうちになるべく多く回る考え方をしていた。

それに対して、彼らは2週間や3週間程度は平気で同じ場所に滞在する。

 

なぜそれぐらいゆっくりできるのか聞いた。

 

彼らは基本的に慢性的に人手不足を抱える業界にいるそうだ。

同時に看護師の資格があれば割と場所を選ばず働けるとのこと。

 

つまり、一度やめても復職が容易ということのようだ。

 

一方で在職期間はかなりの激務であり、夜勤・昼勤のリズム逆転や土日・祝日関係なく入るシフトによってプライベートの柔軟性は制限される。

同時に体力が必要な仕事と合って、休みは休むことに専念する人もいる。

 

キャリアもサラリーマンのように平から幹部などまで幅広くある職業ではなく、基本的には現場での仕事が大半を占めるそうだ。

 

そのため、一定期間を働きづめで過ごし、ある程度お金が溜まったら職場をやめ、充電期間を設けるというやり方ができるようだ。

その期間は人それぞれだが3か月程度の人もいれば半年程度の人もいる様子。

 

あまり長すぎると彼らも現場勘を忘れるのと、あまり期間が離れすぎているとさすがに採用されにくくなる可能性が高くなるため、年単位で休む人はなかなかいないそうだが、こういった過ごし方ができるらしい。

(※もちろん金銭的な問題もあります。)

 

これは素敵なことだと思った。

 

もちろん看護師自体が非常に大変な仕事であるのは間違いない。

その過程で疲弊する人も多いとのことだった。

 

だが、キャリアの間にうまく谷間を作ってチャージすることができることはいいなと思った。

もしかしたら国家資格のある職業や現場仕事だとそういったことがやりやすい傾向にあるかもしれない。

 

船乗りなんかはキャリアそのものが完全のそのリズムだ。

数か月を洋上で過ごし、数か月を空白期間にする。

 

だが、普通のサラリーマンがこれと同じようにキャリアで谷間を作るとすると非常に苦労する。

が、どうもサラリーマン界隈で前例を見つけることは難しい。

 

産休・育休を除いてまとまった期間の休みを取ることは苦労する。

せいぜい転職の隙間を縫って用意する程度だ。

 

同じ企業に在籍したままでやろうとすると、キャリアにおける昇進に直接的に有利には働らかないし、昇進しようと思わなくても一度会社を辞めた後に空白の時間があることを気にする企業は割と多い。

 

それでも手に入れたいものがあって、それをベースに後で追い上げることで取り返す可能性はありうる。

(もちろん、こういったことを許す雰囲気が一切ない企業もあるが。)

  

だから、空白の3か月なり6か月を作ろうとするとためらわれる。

日系大手企業よりは外資系企業やベンチャー企業の方がこういった自分に正直な生き方をしている人たちにとっては柔軟な対応をする事例が目立つ。

 

この期間に副業の準備を始めたり、全く違う仕事に手を出して人生の糧にする人もいるようだ。

 

非常に面白いと思った。

同時に非常に有機的なキャリアだと思った。

 

会社の看板や実績という自分ではコントロール不可能な部分が少なく、自分の意思で自分の人生を決めているという構図を感じて、うまくサラリーマンにもそういう機会を得られるチャンスはないかと思った。

 

まだまだサラリーマン人生が始まってそう長い時間がたったわけではない。

だが、先のことを妄想すると必ずこのバックパック中に出会った看護師の話を思い出す。

 

 

―――――――――

 

ゆるっと感想。

 

サラリーマンをやっているとどうしても現在の延長線上でしかキャリア構築の視野が向きにくくなってしまいまいませんか?

 

今は副業や多様な働き方が取り上げられていますが、新しいウェーブとして一定期間の休職ないしは充電期間のような制度があってもいいかもしれませんね。

 

もちろん休職という制度自体は既存の会社にも用意されていますが、それは長期闘病や家族介護・メンタルに影響が出たときなどのネガティブな使用事例しか聞いたことがありません。

 

日系大手企業の中には会社がお金を出して留学に派遣したり、世界各国の関連会社に出向をさせることもできるようですが、それができる会社は限られていますし、逆にプレッシャーもありますので充電にならない場合もあり得ます。

 

という意味では働き方の選択肢としてはありな気がします。

 

また、退職希望者がいたとしても、考えを変えるきっかけにもなりえます。

嫌ならやめる!ってなるよりは3か月休んでみたらどうだ??

また戻ってくるかは決めればいい。

などなど。

 

それぐらいおおらかな雇用文化になるといいなと思ったりします。

 

まぁ、全員が嫌になったら休むか。。。なんて考えだすと怖いですし、その間どうやって埋めるか?などを考えていくとどんどんやらないほうがいい理由が生まれてきます。

 

ただ、単に一日当たりの労働時間や月間の時間で縛るよりも人生トータルで見る大局観のあるコントロールを可能にすれば圧倒的に個人に人生の使い方に幅を出す事ができるものだと思います。

(※制度化するにあたってどうしたらいいかはわかりませんが。。。。あくまでコンセプトです。。。)

 

仕事にどっぷり入るときはどっぷりでいいのでまとめた休みたい。

そんな時間の使い方をしたい人も多いと思うんです。

コンサルタントもそのような働き方があり得ますね。

 

まぁ、キャリアにギンギンに寄せる人は休む期間もなく働き続けるかもしれませんが、新卒から定年までうん十年ずっと働き詰めってのも大変じゃないですか?

 

なんて思うわけです。

 

長い長いキャリアの中で休養期間を作っても大丈夫なのはサラリーマンでこそじゃないでしょうか?

自営業や個人事業に携わるとそれがダイレクトに結果に跳ね返ってくるので、自分の自由ではありますが、より大きなリスクや負担を伴います。

 

逆に企業の一従業員であれば影響はより限定的になりやすいものといえます。

 

そんな風になったらいいななんて思います。

10年前後に一度程度はそういうの取れたら面白いなぁって・・・・

 

家庭を持ったりするとお金が必要で収入ストップの選択肢はとりずらくなるかもしれませんが、仮に定年が70歳以上になっていくことを考えると、長い人生のどこかで休養・充電期間を取るタイミングは生まれるはずです。

 

そこのお前ももう一回ヨーロッパなりアジアなりバックパックしてみたいし!

 

そんじゃ!