海外赴任では周囲の人がどういう性格で、どんな行動をするかが読めない苦しさがある件
突然ですが、そこのお前は野球好きです。
高校までのプレー歴9年の内、8年はキャッチャーでした。
当時は相手を見ろとか自軍のピッチャーを見ろとかよく怒られたものです。
その積み重ねのおかげか、そこまで大したプレーヤーではありませんでしたが、相手を見て行動を予測したり読み勝つのは割と得意になりました。
ビビりなんで、リスク取って先制パンチを果敢にくらわすよりも、相手の出方を見ながら相手の戦略と戦術を把握して、対抗策を練っていくのが好きなタイプでした。
それは年を重ねていくにつれて自分自身としても自分の中では長所として積極的に活用するようになりました。
仕事において人を読む
日本でも言葉や要求の節々に出る癖や傾向を自分なりに整理して、なるべく先読みして用意しておく。
上司が突っ込みそうなところや気にしてくるであろう点をより補強したり、時には優先順位が低いことを明示して目線をそらしたり、その他観察し、対応することで攻略するというスタイルを強化してきました。
もちろん上司は敵ではないので攻略という言葉は少し変ですが、要は上司を含めた社内の人々を敵にせず、味方につけるという意味合いで攻略する方法を確立してきました。
気難しい上司やストイックな上司にも比較的好かれることから、世渡り上手・人たらしとも言われましたが、全くそんなことはありません。
ただ、観察し、読み取ったことをなるべく行動に反映させ、不要な攻撃をかわしているだけです。
特に人間的魅力があるとか、圧倒的な話術があるとかはありません。
それでも、そのうまく不要な攻撃をかわし、上司というピッチャーに寄り添いって合わせながらうまく操縦していくことである程度の成果を上げることには成功してきました。
あくまでサラリーマンの処世術なので、自営業向きのものではありませんが、まぁ組織においてうまく泳いでいくという意味ではある程度共通すると思います。
今日はその細かい話は置いときます。
海外で仕事をし、人と付き合う
このスタイルですが、いざ海外に行ったときに困りました。
外資系企業なので当然日本人はいませんし、アジアから欧州という変化のため、全然考えや行動が読めないし、感覚や好みも圧倒的に違うので、わかんなくなりました。
日本の気難しい上司やメンド―な上司なんか比較にならないほど全然違う人を相手にするにあたって、言葉の節々から察するにもそもそもそこまで英語力が高いわけでもないし、行動も日本と考え方が割と違うのでそこから推測する結論の精度が下がったりで、結構苦労しました。
そもそもこういったアプローチはいわば変化球というか投球術というか非常に細かく、個別最適が図られた技術です。
そこのお前の場合は日本に特化した最適化した技術の身に着け方をしてきましたが、海外でその辺の羽をもぎ取られたそこのお前は論理と数字のみの直球勝負を強いられることになりました。
その己の腕を信じたストレートをNon-nativeの英語という貧弱な変化球を添えて戦わなければならなくなりました。
すると、ひたすらストレートで押すというパワーピッチング以外にうまいやり方ができなくなってしまいました。
もちろんトライはするのですが、なかなか日本時代のように思ったような状況を作ることができません。
そう考えると文化的な理解やこういう時に普通こうするよね。っていうのがある程度分かる状況って本当に大切だなぁと思いました。
今までは意識していませんでしたが、そういう小回りを利かせるコミュニケーションを強みとするためには上記のような行動指針や指向性を把握していなければなりません。
特にそういうのを気にせずとも剛腕ぶりで勝てる場合はいいですが、まぁ全部が全部そういうにはいきませんよね。
身一つ、技術や腕一本で渡り合う割合が多いスポーツアスリートはまだいいですが、やっぱいわゆるサラリーマン・ホワイトカラーは結構苦労します。
その辺の感覚を合わせることから始めて、今の流れに合わせていかなければなりませんから。。。
こういう時に元来生まれ持った人見知りやビビりな自分であることを後悔します。
結局、常に探り探りで行くことになるわけですが、まず相手の戦略や戦術を把握するのに時間がかかって理解しきれなかったり変な方向に脱線したりというのが起きました。
結局、日本人と同じように動くところもあったりもしましたが、いつも気にしすぎて、ついやたら確認したり、余計な探りを入れたりなどしてしまいました。
中には海外だろうと関係なく、相手を読み切り、自分の戦略に持ち込むことができる猛者もいますが、そこおまえはそこまでワールドクラスではありません。
せいぜい、日本で中の上ぐらいです。
少しは鍛えられたかなと思いますが、周りの人が何をするかわからないことがこんなにも状況を難しくするということを改めて自覚するきっかけになりました。
まぁ相手からみればこっちのほうが「異物」なので、相手もいろいろともどかしさを感じてたんじゃないかと思いますが、よく配慮してくれる人もたくさんいましたし、理解してくれる人も多くいたのでものすごくいい体験でした。
決して恐怖心や危機感を感じることはありませんでしたが、職場でのシンクロ率を上げるというのが一段と難しかったので、そう感じた次第です。
いつも長々書いてるけど、今日は短くなった?
ほいでは