そこのお前の外資系勤務と与太話ブログ

凡人が行く外資系企業勤務やキャリアの与太話や裏話。緩いのと辛いのまぜまぜ。人見知りやビビりだって人生案外イケるじゃんって思ってもらうための与太話。毎週月曜・水曜・土曜日更新予定

【就活】就活という学生卒業前の奇妙な冒険の話【キャリア】

就職活動という謎文化の話。

 

そこのお前は就職活動が嫌で嫌で仕方なかった。

 

 

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友達同士で行われる謎の牽制、面接会場や説明会会場のポイント稼ぎをしてやろうというギラついた空気感、不自然に誇張した話と演技をする採用過程。

 

そのどれも、会社に入ってからやその後の人生の役に立った!と思ったことはただの一度もない。

 

 

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それほどに現実離れしたイベントだと思っている。

 

就職活動に塾がある時代

今は内定を得るための塾が存在する。

それにつけこんだ就活生を食い物にする悪徳業者まで存在し、物議を醸した。

 

悪徳業者に関しては論外であり、書くに足らないが、自分のキャリアの駆け出しの決定すらも塾に頼る時代が来たのである。

 

一時期の就職難がこういったビジネスを加速させたのかもしれないが、ビジネスが成立するロジックは以下だと考えられる。

 

・何か行動することによる就職への不安解消

・自分ではカバーしきれない情報の提供

定量化された採用過程についての具体的対策

 

日本の新卒一括採用慣行に合わせた対策指南を提供できるのでスケールメリットは得やすいと思う。

 

なんて。。。

 

ビジネス的側面はさておき、学生目線からも「内定を得る」ことが目的ならばそれでイイと思う。

 

まぁ確かに何もしないよりはメリットがある。

 

普段はなかなか経験することのできない「面接」練習を積むことができることもあるし、情報網は多少なりとも広くなる。

 

本人の実力向上というよりは足切りの突破、一般的なコツ、最後のひと押しのアピールテクニックを磨くことはできるだろう。

 

塾側も非常に大げさな宣伝をしている。

 

大学の予備校と一緒で、塾に行くのが当たり前になってきている。

とか

採用過程に「必勝法」がある

とか

入塾者の95%が内定している

とか

 

やや誇大広告気味ではないだろうか?

と思うぐらいに強気の姿勢を見せている場合もある。

 

だが、実際のところ、どの程度確率を上げてくれるのかは定かではない。

 

それに、大学受験と一緒にするにも無理がある。

 

公務員試験・司法試験に代表される全員共通の難関試験関門の突破が必須とされる場所ならばそれでいいかもしれない。

 

これらは大学受験やその他受験と同じく、入塾の目的と内容が明確だからだ。

 

だが、一般企業への就職活動は果たしてその性質に馴染むだろうか。

 

企業は様々な採用過程を用意するが、グループディスカッション、適性試験、面接諸々

だが、一般企業の採用は統一試験でもなければ、常に企業が同じ人を欲するとは限らない。

 

また、適性試験の結果なんて対策が出回りすぎて、正直ストレス耐性や性格の傾向以外、有効な参照資料にならない。

 

せいぜい一部分でよっぽど問題がある人を弾くぐらいだ。

 

そんな塾に頼らなくたってネットには腐るほど就活の情報があふれている。

企業ごとに口コミすら存在するのだ。

 

この企業の採用過程は何々で、面接官がどんな感じだった。

とか

何時ごろに採用過程通過の連絡が来ました!

とか

本当かどうか誰も確かめようがない話がたくさんあふれている。

 

個人的には就活塾もあくまでその領域を出ないと思っている。

 

効果的な対策が可能なのはSPI試験のような問題と回答が明確な部分と本当に基礎的な面接での態度(言葉遣い・話し方)ぐらいだ。

 

そして、これは採用過程においては主要な要素になりえない。

 

それでも、就活塾が成長しているのを見ると、それでも強いニーズがあることが伺える。

 

学生(あるいは親)はどこかで信じている。

 

言われた通りにやればなんとかなる。

成功モデルがあって、それさえ押さえれば何とかなる

 

と。

 

だが、それで本当に将来にわたって望む結果を得られるのだろうか。

 

就職は人生を進める上で重要な局面であることは間違いない。

 

だが、それは「より難易度の高い」会社から内定を得たかどうかではない。

 

教育課程から卒業し、自ら人生を構築するにあたって最も自分自身を最大化するための進路を選択するためだ。

 

就職活動の過程で散々悩んで自分で決めて受け入れる過程にこそ意味がある。

その過程を既に通過している人間は就活では戸惑わない。自分の強い意志を表現し、行動するだけだ。

 

社会人になってからもバリバリ活躍するような人間は就活が始まる前から既に自分自身がしっかりとあり、人生の戦略を描けている人が多い。

 

だが、就活というイベントに合わせてその過程を通ろうとすると苦痛を伴うし、ストレスが高い。

 

自分に自信と技術がないと、自分ではない何かに進んで依存する。

 

「自己分析」という名の浅い性格診断やチェックリストで自分を理解した気になる。

 

本当の自分には自信がないから企業が欲しがる人物像になるようなキャラを作る。

 

過去に通過した人のエントリーシートを入手して、少し改変して提出する。

 

適性試験に回答集を用意しながら臨み、不正に高い点数を取ろうとする。

 

多少自分のエピソードを誇張して話せるように自分を洗脳する。

 

面接官を気持ちよくさせるためのテクニックに傾注する。

 

OB訪問の人数の数で他の就活生に差をつけて悦に浸る。

 

企業の有名度や採用難易度ランク付けに一喜一憂する。

 

就活のためだけの服装を用意し、標準に近づける。

 

内定の数を比較しあう。

 

まるで就活に勝ち負けがあるかのように。。。

 

 

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このサイクルに流されると自分の人生の主導権を手放してしまう。

 

就活は勝ち負けではないし、他人と競争するものではない。

 

センター試験や入学試験のように数千人~数万人が同じ問題を解くわけではない。

 

この違いを理解しないまま就活を乗り越える塾に入るのは危険な依存状態である。

 

使いこなす分には構わないが、最後にモノを言うのは就活前までに過ごした20年強であり、良くも悪くもそれをベースに戦っていくしかない。

 

そのためには自分自身をよく知らなければならない。

 

企業よりも自分のことを理解していなければならない。

 

自分自身の人生の戦い方を編み出すことを考えなければならない。

 

そこのお前が就活中に感じた違和感はこれかもしれない。

 

みんな会社に夢中で自分のことを大切にしていないなって。。。

 

 

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