そこのお前の外資系勤務と与太話ブログ

凡人が行く外資系企業勤務やキャリアの与太話や裏話。緩いのと辛いのまぜまぜ。人見知りやビビりだって人生案外イケるじゃんって思ってもらうための与太話。毎週月曜・水曜・土曜日更新予定

【管理職】仕事ができる優秀な人が忘れてしまうこと【仕事】

よくあることだが、仕事ができるようになる事や熟練は得るものだけでなく、様々なものも失う。

 

業務や環境に最適化する上で必要のない能力や技術についてはそぎ落とすことも多い。

 

また、その場に応じて人間としての振る舞いも変わっていくものなので人間としても別物に変わっていることもある。

 

これらの変化に淘汰されたモノの内の多くは不要なままキャリアを終えることもできるが、あとあと必要になるものもある。

 

そんな、一度失ってしまったモノの中で、一つ思いあたるモノがある。

 

出来なかった頃の余計な心

 

恐い

ビビる

不安

などなど

 

これらのネガティブな感情だ。

 

時には自信の無さからくることもある。

もどかしい現実に耐えきれなくて出てくるものもある。

 

だが、仕事ができるスーパースターの中にはそもそもこれを忘れるどころか持っていないこともある。

 

最初からバリバリ行くことができたら、それはさぞ苦労がない最高のキャリアだったことだろうってうらやましく思う。

 

思えば、新人の頃はすべてに緊張し、震えあがっていた。

 

ビビりで人見知りで臆病なそこのお前にとっては不安で恐怖な日々だった。

 

実際、無事に社会人生活をスタートできていたかというとそんな順風満帆ではなかった。

むしろ、周りに心配されるぐらいだったことを覚えている。

 

今でこそ、少しは安心感を持って仕事ができるようになってきたが、今思えば無用な心配や不安を重ねながら過ごしていたと思う。

少しでもわかっているようにしなきゃとか、堂々としなきゃなんて考えながら聞きたいことが聞けなかったり、出来ないことが素直に伝えられなかったり。

 

不安や恐れだけでなく

 

プライド・虚栄心・自分はなんとかなると思い込みたい弱い心

 

これらのものに囲まれた決して健全な状態ではなかった。

正直何度も手痛いしっぺ返しを食らったし、そのたびにますます凹んでいた。

 

だが、着実に成長してきた人でもこれらがあることを忘れてしまうことがある。

 

仕事の熟練度

人間関係上の苦手意識

常識・感覚の違いからくる不安

 

新人の頃に感じていたこともまだ10年とたっていないが、結構考え直さないと思い出せない。

 

やっと中堅クラスの人間と認識され始める年次になったが、そんな浅い年次でも新人のころの気持ちはすでに失っているのだ。

 

仕事への慣れだろうか?

社会人として成長した証だろうか?

 

仕事に慣れるというのはこれらの感情がなくなることを意味する。

だが、それは必ずしも成長とは限らない。

 

単なるサイキックナミング(心理的麻痺)かもしれない。

 

とにかく、当時どんなことを感じていたかとか何が怖かったかということの記憶はどんどん失われていく。

たまに出る就活セミナーで学生と交流しても、年を経るごとに話が合わなくなってきている。

 

正直、今でも仕事をする上で怖いものはあるし、不安やプレッシャーは日々付きまとう。

同時にそれらを克服し、次のステップに進むことは非常に充実感をもたらす良いサイクルである。

 

ただ、人の育成が課題として与えられるようになった今日、当時感じていた不安や恐怖を忘れてしまっていることはものすごくもったいないことだと思い知らされた。

 

最近思うことだが、これらのネガティブな感情は年齢など関係なく発生する。

つまり、若さとは本質的には関係ないのだ。

 

若い方が脆弱性があるものの、年齢にかかわらず、職場やその環境における相対的な関係においていかなる場合でも発生しうるものだ。

 

だが、その逆もしかりで仕事ができる優秀な人は年齢など関係なく、スーパースターとしてバリバリとキャリアを駆け上がっていくものだ。

特に成果主義を導入する会社ではそうである。

 

スーパースターが管理職になる時に補う必要がある欠点 

スーパースターは確かに会社にとって価値がある。

他の人では簡単に代わりが利かない役割だったり、難易度の高い仕事にて大きな利益をもたらす可能性が高い人だ。

 

さて、そのスーパースターの会社での存在分布を計算しよう。

 

仮に会社で最もパフォーマンスのいい人間と定義する。

他社との比較はさておき、各社のトップ10%と認識される程度の社員をスーパースターとする。

 

さて、ここで会社の構成分布を見てみる。

 

ある研究では管理職が持つ部下の人数は6人が最適とされている。

一人が直接管理する人数の限界を6人としてチームを構築するというコンセプトだ。

この数字自体はMBA取得コースの教材にも記されるぐらい広く世に出ている。

 

もちろん業務内容の画一性や権限の集中度合いによっても変わるが、一般的なホワイトカラーワークだと約6人程度とされている。

 

実際Googleなどの企業もこの原則を維持することを念頭に置いているし、この数を採用している企業はそこのお前の会社も含めて他にもある。

 

この原則に基づいた単純計算では7人に1人が管理職になる計算になる。

 

すると同時期に在籍する管理職は全体の14%程度だ。

 

その時点でかなり率は低い。

管理職になった時点でほぼスーパースターだ。

まぁ、管理職の内20%程度はスーパースターでない管理職という事になるが。

 

もちろんもっと上の部長職・役員職も入れれば少しは数が膨らむが、それでも管理職の割合が20%を超える場合は少ないだろう。

 

なぜなら、中間管理職6人を束ねる部長がいたとして、43人に1人の割合だ。

つまり、2%程度。

その上の部長を束ねる役員または社長であれば約300人に1人だ。

もう1%を切る。

 

だから、15%程度しか管理職以上にはいられないことになる。

が、そもそも上位15%なんてそう簡単に入れるものではない。

 

トップオブトップ

 

そんなスーパースターたちの中でさらにトップ10%となると全体の1.5%となり、ほぼ部長以上のみという事になる。

 

が、それらのトップオブトップたちもかつては平社員から中間管理職とスーパースターとして出世街道を驀進していたころがあるはずだ。

 

そんな彼らは仕事ができるから優先的に管理職への道が切り開かれるというのが現状だ。

 

だが、彼らは往々にして忘れてしまう。

 

仕事ができなかった頃のことを。

 

すると、部下をよく見ることができなくなる。

見切りもつけられなくなるし、原因も見落としてしまう。

 

自分ができるようになったメソッドを再現しようとするが、そう簡単にはいかない。

だって、彼らが下位50%に入っていた経験なんてほぼないに等しいのだから。

 

自分の出来ることを最大限やるのが一般社員だが、管理職になるとそうもいかない。

全体でできることを見極めながら可能な限りの成果を出さねばならない。

 

時にはできない人に合わせなければならないし、同時にできる人の限界にふたをしてはいけない。

 

この時に必要なのが、部下の気持ちの診断力だったりする。

スーパースターはここに弱点があるケースが多い。

 

管理職になった瞬間、上位10%だった自分だけでなく、残りの90%にも目を向けなければならなくなる。

時には下位10%とも根気良く付き合っていかねばならない。

 

このことを考えた時に、人間、初心忘るべからずだと思った。

 

いっそのことスーパースターはスーパースターのままひたすら突っ走り続けるポジションや場を与え続けたほうが活きるかもしれないと思ったりもする。。。

 

とはいってもね。。。

逆に凡人であるそこのお前はスーパースターを部下に持った時にその活かし方がわかりません笑

 

スーパースターの感覚を理解できる日が来るのだろうか。。。

 

いや、そうじゃないもっと庶民的な管理職になっていくことの方が強みが生きるはず。

だから、より一層、昔のコンプレックスにまみれた自分を忘れないようにしたい。

 

酷かったころの話はまたあとで書きます笑

 

ではでは