【キャリア】ボスマネジメントという最初のマネジメント経験【処世術】
集団に所属する以上、どうしても避けられない人間関係
特に上司&部下関係は全世界に共通するテーマと言えます。
大企業だろうが中小企業だろうが日系企業だろうが外資系企業だろうがおおよそほとんどの組織の間で上司と部下という関係は存在します。
中には尊敬できるほとんど不満のない魅力的な上司もいれば、なんでこいつが上司なんだ?って思うぐらいとっつきにくいやりづらい上司もいます。
そこのお前はこれを管理職として部下をマネジメントする前の最も初歩的なマネジメント経験だと捉えています。
このボスマネジメントは
上司も人間であり、完璧はありえない
という事を受け入れることから始まると言えます。
上司に求める完璧は幻想
恋人やパートナーに理想の項目があるように、誰しも理想の上司像はあります。
恋愛でも年を経るにつれて学んでいきますが、本当に完ぺきな恋人はほとんど存在しまいものです。
それに、存在したとしても多く出会う異性の中の数少ない存在なわけです。
であれ、理想的な上司が存在する確率も当然高くないわけです。
世間一般にかたどられた上司像
過去の経験に基づく希望上司像
会社内で比較対象になる他上司
上司が部下にこうあってほしいという希望や願いを込めて指導・育成するように部下だって上司に対して理想ぐらいは抱くものです。
(※理想の上司ランキングは誰が投票しているのか不明ですが。。。)
ただ、そうはいっても部下も上司も人間です。
それぞれ、急には変われません。
人間は粘土のようなもの
若い時は水分もたっぷり含んでおり、こねて変形させるも何か新しい物を加えるも比較的難易度が低く馴染みます。
ですが、年を経るごとに乾燥し、水分は抜けていきます。
特に成熟した社会人は乾燥した粘土のようなもの
簡単には加工できません。
下手に力を加えて何とかしようとすると割れかねませんし、元に戻りにくくなります。
年季のある粘土が衝突すれば硬い分攻撃力がありますし、若い水分の多い粘土の方がガッツリひしゃげます。
なので、上司または年上の人に対して部下や若い人間が力を持って衝突しても影響を受けるのは柔らかい方です。
柔らかい方は衝撃を受けて変形しますが、その分壊れにくい
逆に、仮にパワーで年季のある粘土(上司・年上)を押しきって上司が壊れた場合、自分自身も同時に被害を受ける可能性すらあります。
下剋上の激しいバリバリの外資系企業等の実力がすべての世界であればそれでも良いですが、なかなかそういう環境はありませんし、上司が壊れてから完全に抜き去るまでにはある程度時間がかかります。
逆に、硬い粘土に叩かれ続けてただただ我慢し続けるにも限界がありますね。
いつしか自分も水分を失い、バリッと砕け割れます。
それではいいことはありません。
「アホとは戦うな」ではありませんが、上司には無理な戦いは避けるのが上策です。
じゃあどうするのか
上司から逃げる
または
上司をうまく使って自分が得をする
この2択です。
間違っても上司をぶち破ったり、叩き潰してはいけません。
もちろんそういう戦い方もありますが、非常に難易度が高く、余計なリスクも抱えます。
半沢直樹みたいですね。
サラリーマンを無理して続けないで済むのであればそういう戦い方をしてみたいと思うこともあります。
とはいっても、戦わないなら逃げろというわけには必ずしもいかないですね。
そんな時は上司をうまく操縦して自分の利益にできるかどうかを考えたほうがラクで現実的メリットを取りやすいと感じています。
社内の狭い1対1に夢中になるよりも互恵的に上司をトクさせたほうが巡り巡って自分もトクをします。
逃げる方は簡単です。
異動するか会社を変えてしまえばそれで済みます。
一度壊れるまで追い込まれるとその後にもこびりついて離れないダメージを受けたりしますので、余力があるうちにスタコラサッサしてください。
ただ、逃げるという手段がかなわない、または合理的ではない場合、もう一つの上司を使って自分が得をするという事を考えることになります。
戦略的な上司マネジメント
これのやり方は主に2つです。
上司にうまく使われるか
上司をうまく使うか
これだけです。
これをするのに最も必要なのが、
上司は完璧ではないと受け入れた上で、上司の特徴をきちんと捉える
です。
長所も短所も、動機も好き嫌いも。
これ、媚びを売れと言っているわけではありません。
ただただおべんちゃらをかませとか過剰なぐらい接待をしろというわけではありません。
それではただの都合のいいコマです。
そうではなく、戦略的に上司を活用すべきという話です。
特に管理職以降の昇進キャリアを目指す人であれば必須の技術になりますし、部下を動かすよりもずっと難易度の低いマネジメントのトレーニングになります。
これを無事に着地させるには
上司がどう操っていこうとしているかの把握
上司が自分になってほしいのかの把握
これらをしておく必要があります。
そして、状況に応じて上司の言いなりになるか、上司の要求外のことをするかを内側で判断して下さい。
特に上司が何のプラスにもならない意味のない仕事をやらそうとしていることを見抜く必要があります。
特に互恵的になりえない上司だけが得する仕事のさせ方をすることを回避する技術は必須です。
これを実現するためには、
第一に上司が自分に依存する状況を作ること
から始まります。
早ければ1年、長ければもっと長い時間をかけてこの状況を作ることになります。
上司の足りない部分を補う働き方
上司が苦手だったり見落としがちな部分についてはあえて要求せず、自律的にフォローを入れる。
上司の強みに合わせた特化戦略の採用
上司が強い領域に乗っかり、そこでタッグを組み、右腕としてさらに上司のパワーになる。
上司を迷わせないバックアップの動き
上司が決断を迷う時や判断材料がわからない時、苦労している時にさりげなく提案してみたり、プレッシャーがかかったり、迷ったりした時にあらかじめ迷うポイントをつぶせるような準備をしておく
上司を困らせない気配りやフォロー
これは比較的曖昧ですが、これはもっと日常的な話です。
上司とのコミュニケーションを普段から潤沢にとっておき、「こいつ難しいヤツだな。」
って思われないようにしておくという点が肝です。
これら4点を筆頭に、徹底的に上司が自分に依存する状況を作り出すことが肝になります。
全てを完璧に実現するのは難しいですが、感情的でも業務重要度的でもとにかく上司が自分から離れられない状況を作ることは非常に重要です。
ただし、それでだけではまだ不足です。
上司に依存されたまま、他の道を用意しないと一方的に濫用されて終わります。
なので、いつでも他のところに行けるという部下としては上司に依存していないという状況をわからせる必要があります。
このバランス取りが上手くできるとボスマネジメントは恐ろしく難易度が下がります。
上司だけが自分に依存しているという状況を作る
ちなみに、そこのお前の会社で圧倒的な速さでの昇進を果たした人はこう言っていました。
「上司の分の仕事までやってしまえば、いつでも後任になれるし、上司が出世したらそのまま引き上げてもらえる」
と。
まさに逆転の発想です。
上司に何かをやらせるよりも上司は飾りにしておいて、そのままセットで位を引き上げさせるという上司にしかできないことだけ残しておくわけです。
振られた仕事をこなすとか言われたこと最低限しかやらないという守りのスタイルから転じてギンギンに攻める方法です。
これができることで何が起きるかというと、最も価値のある仕事が自分のところに優先的に回ってくる循環を作れる可能性が高まります。
上司を飾りにして、自分が実質的に取り仕切るという形まで漕ぎつければ自分が最も有利な条件でやれる仕事や欲しいスキルや人脈を得る機会に対して主導権を持って選択することができます。
これは、超攻撃的布陣をあえて敷くことで、逆に自分が最も利益を得るスタイルと言えます。
投資対効果という意味では労力的には守りのスタイルの方が同じ給料を楽に稼ぐスタイルになるとは考えられます。
が、攻撃的になり、上司にラクをさせ、最後に手綱まで握る手法の方が稼ぐ絶対額を上昇させる可能性を高めます。
サラリーマンは最初から守りの姿勢を取れる最高の職業です。
が、本来は攻撃的姿勢を取り続けなければ生活が向上しないのが人生の鉄則でもあります。
ある種生きていくうえで当たり前の話ですが、会社の中でうまく自分の立場を強くするには仕事の成果単体だけでなく、社内の人間に評判を植え付ける必要があると言えます。
せっかく人生の時間の大半をサラリーマンとして投資するならばボスマネジメントを意識して主導権のある時間に替えることができれば人生はより充実すると思いませんか?
ではでは