【副業の本業化】サラリーマンを辞めるのは得か?【新時代】
ちょっと興味があるので、ざっくり分析してみました。
サラリーマンが脱サラしてブログやその他を本業化するにあたってどの程度のブログで稼ぐことができればサラリーマン時代と同じ状態の金銭的状況を作り出せるか。
同時に、金銭には換算しにくいですが、会社員からブログへの変化はある種の不可逆変化の性質を持ち合わせています。
要は本業をやめて副業を本業化するにあたって、被雇用者という立場でなくなる期間が長くなれば長くなるほどサラリーマンには戻りにくくなります。
採用側の観点でも本人のライフスタイルの観点でも戻るにはハードルが時と共に高くなります。
そんな中で、副業がもてはやされたり、サラリーマンとして働くことのコスパの悪さを強調する論調は日増しに激しくなってきている印象があります。
特に若い世代では、まだまだ可能性があり、元気でバイタリティもあるものの収入が低くとどまらざるを得ない社会構造上、この論調を肌で感じやすい状況に置かれているわけです。
それでも断言します。
サラリーマンはやっぱり最も手堅く生きる道です。
ただただ安定して生きることを目的とするならば、サラリーマンの地位を持っておけばいいです。
ただ一方で、心に決めたことがある人や何か特別な事情を抱えてサラリーマンを継続できない人にとっては、ただサラリーマンをする以外にも生きる手段が広がってきていることは確かです。
さて、サラリーマンとの比較の本論に入ります。
専業主婦(夫)であれば基本的には考える必要がなく、精々パートナーの扶養から外れる場合などで損する控除金額×税率分の金額がカバーできれば問題ありません。
(その他、世帯合計の所得水準に応じた補助金や政府・自治体からの補助がある場合はそれも加えていけばいいと思います。)
それにパートナーとのライフスタイルは人それぞれですのであえて個人の利益のみで決める必要はないと思います。
サラリーマンが普段自覚しない儲け
サラリーマンとして会社に所属することで受けているベネフィットは実は割と多くあります。(あるようです。。。知らないw)
大企業であればあるほど給与外のベネフィットが用意されている可能性が高まりますが、ざっくりと挙げて以下の通りです。
給与(+ボーナス)
その他福利厚生プログラム(会社保有の施設・サービス利用、住宅補助・海外赴任手当・通勤その他手当など)
会社教育プログラム
厚生年金、企業年金(退職金)
その他(後述)
給与(+ボーナス)
非常にベーシック部分ですね。
いい時も悪い時も安定してもらうことができるので、一つの軸になります。
どんなにパフォーマンスがしょぼくても決まった金額をもらえます。
これの多寡には非常に大きなばらつきがありますが、安定性こそが一番の魅力といえるでしょう。
その他福利厚生プログラム(会社保有の施設・サービス利用、住宅補助・海外赴任手当・その他手当など)
=>これは企業各社で差がありすぎますが、自分の企業の用意しているものを把握すればOKです。
持ち株や各種割引サービスもこれに該当します。
金銭やサービスとして受け取るものだけでなく、自らの支出が減るものもカウントに入れてください。
ざっと思いつくものを上げても下記のようにたくさんあります。
通勤定期券代
住宅補助(寮・社宅制度)
医療保険への加入
慶弔見舞金
長期勤続特別手当
有給休暇等各種休暇
etc etc
人によってはここで得ている利益が案外大きい場合もありますね。
有給なんかはフリーランスにはありません。
自由に休めますが、その分実入りが減ることもあります。
定期券代も通勤以外にも自分の出費をカバーしてくれることが多いです。
備品だって会社が大量に用意していますし、必要機材やそのメンテナンスなども会社がやってくれます。
教育プログラム
会社によっては資格取得のための講座に通わせてくれたり、会社として資格を取るための準備費用を負担する事もあります。
英会話への投資をしてくれたりとか場合によっては海外留学の支援があったりなどします。
また外部講師の研修を受けさせたりなど実は多くの投資がなされていると言えます。
全てが役に立つとは限りませんが、自分の身を援けるものも少なからず含まれていると言えます。
老後への備え
また、何らかの事情で働けなくなった時や生活安定に向けた備えという意味では層が薄くなります。
特に若い時期にはあまり体感することのないシニア世代以降でのベネフィットがあります。
ここで厚生年金+企業退職金が絡んできます。
厚生年金
どんどん制度自体が先細っていくので意味があるのかないのかわかりませんが、ベネフィットとして残るといえます。
そもそも会社加入では見えないところで会社が半分を負担しています。
もちろん脱サラ後も個人加入もできるわけですが、企業側の掛け金がなくなるので個人負担割合が増えます。
また、加入をやめた時点で受給資格等の絡みもあってもらえるのかもらえないのかが変化しますね。
ですが、減っていくトレンドをここまで見せつけられると自分で貯蓄・運用した方がマシという考え方はあり得ます。
厚生年金、計算自体はそこまで難しいものではなく、普通にサラリーマンとして勤めたとして、
65歳以降にもらえる金額の目安と根拠は以下になります。
生涯平均が日本人平均収入金額(約480万)で、平均寿命85歳まで生きるとすると
20年×100万円で2000万円をもらえることになります。(年収1000万円の場合は約4000万円になります。)
厳密にはややずれが生じますし、加入期間比例でもあるため、22歳から41歳までで加入を止めた場合は半分の年間50万円程度です。
国民年金(強制加入)は全員変わらないので除外しますが、無事にこのまま払い続けると上記に加えて年間60万円程度が支払われます。
(※まぁいつからもらえるのかわかりませんがね。。。)
将来の昇給分も見越して自分の生涯平均を想定して当てはめてみてください。
この分をキャッチアップすることを考慮に入れる必要があるでしょう。
企業年金(退職金)
これは企業ごとに制度も違いますし、金額の多寡も異なるので自らの事例をご確認ください。
企業によっては数千万に届くこともあるようでうらやましい限りですが、これがどれぐらいかによっても会社員をやめることによる逸失利益が生まれることになります。
同時に、これは転職やキャリアシフトによっても大きく変わるので読みにくいところですが、考慮に入れてみてください。
厚生年金と同じぐらい貰えるような企業もあれば、もうちょっと少ない企業もありますね。
その他の備え
これも普段ありがたみを実感することはありませんが、存在は侮れません。
労働組合自体が弱体化した時代ではありますが、それでも職場環境の劣悪化のための行動を取れる存在であり、環境の安定化と各種便益の提供がなされています。
また、雇用保険もいざという備えにおいては助けとなる可能性を持ちます。
(※制度的にはいかようにも悪用しやすいものですが。。。)
銀行におけるローン等の与信力
これは案外大きいのではないかと思います。
家や車などを買う時にはこのパワーがあるかないかで苦労する場合もあり得ますね。
それなりの大きい買い物がやりにくくなるという点は大企業の方なんかは当てはまると思います。
この部分を代わりに何とかしてくれるパートナーがいれば何も考える必要はありませんが、もし一人の場合はネックになりうるかもしれません。
もちろんキャッシュで済むぐらい稼げれば問題ありませんが、それぐらい稼いでいるのであればこんなの計算するまでもなく本業化していいと思います。
永続性・継続性
何と言っても2年以上続くブログの割合の少なさを見ればある程度は想像がつく気がします。
なかなか継続的にお金を得続けることが難しい領域であることは間違いないといえます。
アフィリエイトのルールやマーケット自体の永続性や安定性にも疑問がありますので、これに一蓮托生、人生を賭けようと思えるほどの状況は多くないかもしれません。
一切未練がなく、サラリーマンであることにメリットどころかデメリットしかないという場合は良いかもしれませんが、60歳程度までをイメージして、本当にメリットがないかについて社会の泳ぎ方を考えてもいいと思います。
サラリーマンも極端な例はありますが、昇進や活躍を目指さなくてもそこそこのポジションでゆったりするということは十分可能です。
その枠だけ確保してベーシックインカム化してもいいと思います。
ただ、本業がサラリーマン、副業収入が大きいというケースでは税金の金額も大きく変わってきますので、可処分所得の観点からのバランス取りは必要ですね。
これらの備えの算段が見えてから転換する場合は問題ないかと思いますが、特にプランがない場合はもう少し慎重になったほうがいいのではないかと思います。
ちなみに、これを計算していくと脱サラして同じ金銭状況を手に入れることを考えた場合、現在の月給の2倍から2.5倍程度稼がないと成立しない計算になりました。
(※幅があるのは推定年収の予測幅と脱サラ後の実働年齢に左右されるからです。詳しい計算過程を公開するといろいろバレるので割愛!)
ちなみに、ブログでそれを達成しようとするとどれだけのパワーがいるか想像もつきません。
それだけ違いが生まれることに驚きましたが、やはりサラリーマンは楽でコスパがいい結果になる事が多いです。
若い世代で稼げるうちに一本立ちできたほうがカッコいいですし、立派ですが、そう簡単にはいかないという事ですね。
特殊な技能や会社所属することにメリットが生まれない技術であれば腕一本で稼ぐのもありです。
ただ、ブログとなると限界がありますし、全て自分で運営しなければなりませんので、思っているほど夢に溢れた現実はないかもれしません。
ただ、フリーになる分、時間と自由を手に入れるので、その自由を生かして更なる収入の柱を作る場合はそれでもいいかもしれません。
金を稼ぐための仕事になっては元も子もないですが、自由な人生を楽しみたい人はそのほうがやりがいがあるかもしれません。
ただ、コストパフォーマンスという意味ではまだまだサラリーマンが恵まれている時代ではありますね。。。