そこのお前の外資系勤務と与太話ブログ

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【キャリア】中間管理職という種族【与太話】

中間管理職という種族はどんどん苦しい状況に追いやられている。

という話

 

これを中間管理職目線でつらつら。

 

昔のような体育会系、絶対服従主義はどんどん居場所をなくし、

 

働き方改革で部下は改善されど、自分たちは半分蚊帳の外。

 

ストレスを発散しようにも、パワハラアルハラ・セクハラ。ハラスメント縛りのオンパレード。

 

何かをするにも上司だけでなく、部下の感情に配慮することを非常に高いレベルで求められるようになった。

 

今までは階層が上がるごとに少なくなる目上の人間に対してのみでよかったが、それがより数が多く、多様な下の世代にも同じようにせねば大きなリスクを抱えるように変化した。

 

ぶっちゃけ、人として当然といえば当然の話なんだが、ビジネスとしての結果も求められ、部下を不快感を与えないよう配慮すべしという全てを本気同時に満たそうと思うと確かにハードルは高くなったなぁと思う。

 

特に社交辞令が多い文化の日本ではさらに難しいだろう。

 

それに輪をかけて

 

人手不足

人材の流動性加速による定着率の低下

少ない裁量、増える義務

 

これだけの負担が中間管理職にシワが寄るようにシフトしていると思う。

 

まぁ欧米の基準に寄せていくという事はそういう事だ。

 

労働者に対して求められる負担に一定の制限がかかり、管理職としてはケアしなければならない項目が増えるという事だ。

 

実際ヨーロッパの管理職も結構大変そうなんだが、担当する部下の人数を絞ることで対応していることもある。

 

一説には管理職一人当たりの最大人数は6人が適切とされている。

これに適合する形にするというものである。

 

実際、そこのお前の会社も欧州では傘の下につく人が増えるとそれに合わせてその中間の管理職を増やす形にして、管理職一人当たりの労力を絞っているようだ。(※欠点として、給料が上がらない準管理職ができているが。。。)

 

日本の管理職体系がそのように推移するかどうかという点では企業によるが、どうしても中間管理職層を適切に育成し、パフォーマンスを最大化させるためのスキームが弱いように感じる。

 

彼らは仕事ができるとみなされた人を選抜した集団なのだからいちいち教える必要がないという事なのか、それとも単純に社内のほかに機能がものを言える環境が存在しないのか不明だが、どうしても研鑽すべきという意識が働きにくいようになっている。

 

あるのはあくまで結果を達成し、問題なく部下をコントロールせよといった点だけだ。

ほとんどの領域の評価が結果の良し悪しに縛られる。

 

プレイヤーに戻る方がいいって思う人も数多くいるようだし、確かに自分がやらない分、面白みがないことも言われている。

まぁ、若い世代が興味なくすのも当然といった状況が加速している。

 

そもそも、場合によっては見たくない人の面倒を見なければならないし、自分の思い通りにならない状況に対して心理的に強くあらねばならない。

 

男性諸君ですら逃げられたらどんなにいいことか!なんて思いながら過ごしている人が増えている中で、外部からは女性管理職の比率が少ないことが嘆かれている。

これらの主張をする人は全員管理職経験者なのだろうか?

 

正直、この超絶重い負担をあえて男女平等の名のもとに女性に積極的に背負わせに行くのか理解に苦しむ。

 

なりたい人がなる道を確保する分には構わないが、なぜ同割合であることにこだわるのだろうか。

個人の権利を尊重するはずが妙な全体主義に陥っているように見える。

 

それに、労働者と同じで女性が働きやすい管理職の職場環境を作れ!

という話は労働者文脈の働き方改革と比べるとその活発さに歴然の差があると思う。

 

だって、労働時間数が取り沙汰されない職位だから。

すると目に見えて客観的に違反といわれない状況であれば企業は対策を後回しにするし、上司自体が母数が少なくて声を上げにくい「サイレントマイノリティ」になるわけだ。

中間管理職はいつでも言われる。部下の働き方を変えて!って。自分の働き方は一層えぐくなるのに。

 

だから女性管理職比率を平等にして働きやすいようにするのだ。

というロジックはいささか飛躍しすぎている。

 

なぜなら、現在の世界は女性が参入するから働きやすくなるという風には回っていない。

多様な働き方に合わせるように様々な変化や制限を加え、男性も意識を変えるようにドライブしていったから女性も参入しやすくなるという構図である。

 

前後関係が逆なのだ。

 

そして

このムーブメントで割りを食っているのが中間管理職という種族である。

 

変化の兆しが見えない中間管理職の職務領域にはまだまだ高い障壁が待ち構えているのだ。

特に上司としての完璧性がこれまで以上に求められる世界ではプレイヤー時代からは大きく勝手が異なるようになった。

 

時に、女性の方が仕事ができても、男性が管理職に昇進することもあり、これがまた嘆きを生んでいるようなケースもある。

確かに納得がいかない。仕事ができる方が昇進すべきだという考えは非常にわかりやすい。

男女平等に反しているとそう訴えることもある。

 

だが、果たして本当にそれだけでいいのだろうか。

 

多くの部分では、仕事ができる方がチーム管理できる可能性が高いと論理的には考えることができる。

業務上、困難な事柄への対応力

 

仕事の熟知度合

 

成果に対する意識や実際の結果

 

業務上での人脈

Etc Etc 

それぞれに各人に得意不得意はあれど、「仕事ができる」といわれる人は総じてこれらをチーム内で高いレベルで持ち合わせていることが多い。

 

管理職という生き物

が、「管理職」というのは上記に加えて少し特殊な能力が求められる。

 

管理職に上がりたいのに上がらない人というのはこの視点が欠けている可能性を考えてみてもいいかもしれない。

チーム最強戦士が最強上司になるとは限らないのだ。

これはワンピースの世界ともキングダムの世界とも違う。

 

プレイングマネージャーならいざ知らず、通常の管理職ってプレーヤー時代に求められる行動と大きく異なる。

そして、本当のところの昇進って実力やスキルよりもマインドセットや非常事態への物理的・心理的対応柔軟性によるところだったりする。

 

これこそわかりやすい指標で測れないものである。それに管理職の責任を考えるとただ仕事ができるだけじゃダメなことが加わる。

 

管理職になると最強戦士はその剣を収める場面が出て、参謀としての要素も持ち合わせなければならない。

 

部下に最強戦士がいる参謀上司・部下に最強参謀がいる戦士上司

こんな風に補えるといいが、現実はそううまくはハマらないことも多い。

 

そうなると、上司が足りない部分は上司が補い、部下が足りない部分も上司が補うことになる。

すると最強戦士時代の長所をひたすら生かして戦うという方法だったり、短所を上司に補ってもらうという手札が切れなくなる。

 

管理職はチームに何かあったら責任を取らなければならない。

欠員が出たら補充やカバーを考えなければならないし、部下の様々な個人的事情にも配慮した上で日々の業務の取り回しを決めねばならない。

 

部下の育成にも時間を取らなければならないし、非常事態が起こればコントロールに駆り出される。

一つのトラブルが起きる可能性が月に10%だったとして、自分が担当プレイヤー時代は10か月に1回起こるかもしれないトラブルをピークとして乗り切れればよかったし、自分で防ぐ努力も直接的にできることが多い。

だが、上司として仮にチームメンバーが5人いたとしたら、10%×5で50%に跳ね上がる。

それも、日々直接当たっているのは部下であり、自分ではない。

結果的に、2か月に1回はコントロールできない偶発的なピークが生じることがある。

 

もし同時多発的に起きたらそれこそ大騒ぎである。

 

そのため、必要とあらば労働者時代の常識を超えて長時間働ける準備をしておかなければならないのである。

 

部下の評価をしなければならない。

 

正直、これが一番ハードルが高いと思う。

どうしても100%部下に寄り添って見れなかったり、思い通りに関係構築ができなかったとしても評価をしなければならず、適切なフィードバックと育成を行わなければならない。

非管理職時代のようになんとなく私見を持っていればいいだけではない。

必要とあらば苦言を呈さねばならないし、場合によっては強く主張して部下の評価を担保しなければならない。

 

人材の流動性が高い今、退職リスクも勘案して部下との関係は非常に神経を使って構築しなければならない。

そのもっとも根幹である評価をしなければならない。

 

逆に、部下は部下で悪い評価が付いたりした場合に、理屈などお構いなく、コミュニケーションが取れない!とか丸投げだ!心がない!寄り添ってくれない!理解してくれない!とぼやかれて信頼を失うリスクすらある。

 

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このように、純粋に自分だけの時間・人生にならない部分を抱える生き物なのである

良くも悪くも自分だけの人生ではなくなる。

 

だから、実力もさることながら、人生を自分だけでなく人に使う時間も含めて対応できる人を管理職に上げたいと考える方がメリットがあるように判断される。

 

そう。管理職という種族はどんどん苦しい状況に追い込まれ、労働市場とは真逆で参入への勇気がいる職位になったのである。

ちょっとの給料増と引き換えに。。。

 

いつ頃中間管理職への対策は打たれるだろうか。

しばらくは中間管理職がさらに苦しい状況が続くだろう。

 

 

  

追記。

この中間管理職の悲哀、欧米でも結構同じなんです。

労働者は時間外は働かないからまだ安心できますが、管理職連中は平気で土日もメールのやり取りをしています。

休んでんだか仕事してだかわからないぐらいプライベートと仕事が融合して不可分になっています。

 

また、比率という意味では女性管理職の比率はそこそこ高いですが、彼女らは鬼働く人か男勝りにパワーで押す!とばかりに強い人たちが多いです。

欧米の女性の性格・タイプと日本のそれが同じであると言い切るにはあまりに雑すぎるほどに違いがありますが、女性自身も変化して欧米化していくんですかね。

日本人女性がそうなりたいと考えているかどうかはわかりませんが、あまりそういった議論は出てきませんよね。

そのあたりを無視して男女比率同数にしたがるのは何か意義があるんですかね・・・

 

(※ちなみに、もし日本人女性が欧米管理職の方々のように変化することを目指した場合、そこのお前の実感ですが、男性目線では恋愛の魅力はなくなります。ちょっとあの人たちついていけない。。。)