そこのお前の外資系勤務と与太話ブログ

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【生きる】給料って結局不平等だよねって話【謎理論】

引きずりおろし合うより引き上げあう世界へ

 

いつも思うんですが、給料って不平等な制度じゃありません?

たくさん貰える側に入れればいいですけど。。。

 

がだ、手っ取り早い話が、自分のコントロールできない範囲の話を気にするのはやめた方がいいと思っているわけです。

給料はどこまで行っても完全平等・完全公平な報酬状況など存在しません。

 

制度を作る側に回れない限りは、もらえる範囲においてはもらえる限りのものをもらうしかありません。

それか諸外国のように徹底的に昇給に向けたムーブメントを起こすことを世間の流行にするしかありません。

 

どうにもできない不平等を考え始めるときりがありませんし、不満が募ります。

だったら、不平等でも何でもいいからとりあえず全体的に上げろと企業に迫っていくしかありません。

ということで、これからの世代は上の世代の給料を下げろ!ではなく上の世代よりも働くからもっと給料をよこせ!という風に変わっていったらいいなぁと思っています。

 

そういう考えに至ったのには下記の出来事がありました。

 

鬼ほど働いて味わった現実 

 

そこのお前は若かりし頃、鬼ほど残業しました。

もう今は働き方改革により、労働時間の上限に罰則規定付きの天井ができており、そんなことはできませんし、させられません。

 

が、当時は体力もより充実しており、会社からの期待に対して、できる限りの仕事に時間を突っ込んでいました。

短期間ではありますが、ピークでは12か月累計1000時間をはるかに超えて働いていました。

たまたま仕事がゴリゴリ回ってくる場所を掴んだため、可能な限り仕事を引き受けた結果です。

 

コンサル・医者・弁護士ぐらい働いたんじゃないかと思っています。

 

正直に周りに弁護士は多かったので、感覚がマヒしていたのかもしれませんが、異常なほどに時間を使いました。

 

当然、残業代はかなり増えるわけです。

 

税金も半端じゃなく増えましたが、それでも使う暇がない&増収でかなり貯金が増えました。

 

奇妙なことに外資系企業であり、成果主義と言いながら結局残業代が主な増収の柱だった訳です。

もちろん、時間を使って成果を積み増した分、昇給も得ましたし、昇格のスピードも速まりました。

間接的で結果論ではありますが、成果に合わせて報酬を得たとは思います。

 

が、自分の受け取る給料が成果に本当に比例しているか?と言われると疑問符が付きます。

 

 

成果に比例しているのであればもっともっとお金をもらっていいはずです。

だって最大で4人分の仕事をやっていたこともありましたから。

 

 

そういう経験のある人結構いると思います。

人よりも多くの仕事をしているのに給料は変わらないとか低いとか。

 

そこのお前もそういう状況でした。

 

結局、成果主義を標榜する外資系にあっても非管理職は時間に比例しているといった方が正確なのです。

 

労働者に有利な報酬の仕組み

 

この時間比例の報酬について、労働者には非常に有利なルールといえます。

 

野球に言い換えると、投げた球数で給料が決まるとでも言いましょうか。

 

 

普通は投球イニング数で決めるのが一般的です。

200イニング/年が一つのベンチマークだったりしますね。

どんな形でもいいから1イニング3人をアウトにする。

なるべく長い回を低い点数に抑えて投げられる投手がいい投手である。

 

これは成果主義の考え方からは非常にまっとうな理屈です。

 

それがもし球数によって決まるとなったらどうでしょう。

イニング数と同じように積み上げ型ですが、少し違います。

むしろ時間比例と同じようにその過ごす時間の質は問いません。

 

凡打を打たれようが、ホームランを打たれようが1球は1球です。

つまり、いつもフォアボールやデッドボールでランナーを出す投手だけど、最後にはぎりぎり抑える。(抑えられない時もあるけどな!!)

これだと球数はばっちり増えます。

 

そうすると何が起こるでしょうか。

 

同じイニング投げても球数を多く投げた人の方が給料を高く得る制度

 

3人ですぐに終わるよりもランナーを出しまくって投げた方が高い給料をもらえることになります。

 

残業代という制度は、論理的には球数比例報酬のようなものです。

 

それが証拠に、一時期そこのお前と同じぐらいの残業をしていたベテラン社員がいました。

彼はどちらかというと自らの不始末のカバーをするために残業がかさむ人でした。

 

そのため、一つの仕事において使う時間は非常に長く、その分残業代も増えるというわけです。

法的には出さなきゃいけませんし、業務上の理由で拘束していることは間違いありません。

 

更に、そこでカバーリングをしないと、往々にしてもっとヒドいことになるので残業してでもやってもらった方がいいことは確かです。

が、労働者間の比較でみると質のいい労働者の方が給料が低くなるという現実を生み出します。

 

これ、全国どこでも起こっている寒い現実だと思います。

 

成果主義というイニング報酬を導入すると言いながら、法規制上用意しなければならない球数報酬も同時に用意してしまっているという奇妙で歪んだ状況。

 

同じ残業による手当をもらうにしても、質が違います。

 

そこのお前も不平等さを感じずにはいられませんでした。

時間は同じだけど出すアウトプットの質は違う事を意識せずにはいられませんでした。

 

もちろん、成果による評価でそのベテラン社員がこれ以上昇給・昇進する可能性はありません。

 

本人も実力があると思っているわけではありませんが、不真面目でもありません。

それに、残業を狙ってわざとミスをするような人でもありません。

ただ、給料はやたらに高いのです。

 

まぁ不平等で面白くない現実です。

 

 

仮にそこのお前と全く同じ残業時間だったとすると給料に1.3倍程度開きが出ていました。

同じ給与水準でほぼ同じ仕事内容で普通に仕事をする同僚と比べても、残業時間の差分で1.5倍ぐらい差が出ていたんじゃないでしょうか。

 

この場面は残業=悪と取り扱われるべきポイントです。

 

ただ、故意にやっているわけではないのが、また取り扱いずらいとも言えます。

が、これを悪用しようと思えばいくらでも悪用できてしまうわけです。

 

トラブルを生み出し、自分で対処するなどの劇場型仕事人が最も得をするわけです。

 

波風の立たない安定した仕事が理想の中で、そうでない人が最も給料をもらえるという状況が発生するわけです。

 

普通のビジネス関係ではそうはいきません。

品質不良があったら、無償で交換しなければならないですし、トラブルがあればトラブルの原因になった側が損を被ります。

フリーランスだって成果物に対して対価を得る契約形態であればいくら時間をかけても成果物の出来しか見られません。

 

ですが、労働者の場合はちょっと違います。

 

時間を切り売りするという考え方が主流です。

成果主義が主流になりつつある中で、まだまだ残業という概念は強く残っています。

 

冒頭の例でも残業代は払わなければいけないわけですが、払いたくないとみんなが思うわけです。

それに周囲の同僚も、あの人であれぐらいもらえるんだったら、おれもわざと遅くやるわ!

なんてなる訳です。

 

極端な話、全員が結託して滅茶苦茶遅く仕事をすれば全員潤沢な残業代を手にすることができる訳です。

それも周りと差がつくことなく。

労働者全員が意図的に労働の品質を落として不当に値段を釣り上げることもできてしまうわけです。

 

 

球数報酬とイニング報酬の混在は解消できるか。

 

 

この混在は実は日本だけでなく、欧米諸国にも見られる現象です。

ただ、欧米ではちんたらやるよりはさっさと終わらせて自分の時間を取ることを優先するのが文化的な土台ですので、これが大きな問題として目立つことはありません。

 

ただ、あまりに酷いケースでは残業時間を根拠に評価を下げるという事はあります。

 

これを完全に解消するには裁量労働制にするなど、時間に比例する部分を削らなければならないわけですが、これだと難点が出てきます。

 

結局全員同じ時間でぴたり揃えて仕事を分配することが不可能な場合がある

 

 

個人レベルで見ても、自分ではコントロールできないトラブルに対処しなければならないこともありますし、時期によってピークが出る場合もある訳です。

 

そのため、一概に時間に比例する部分を削るとそれはそれで問題が生じます。

元々の日本の制度を考えると非常に取り組みづらい部分です。

 

これからは上限が決まるので、格差は縮小傾向に行くとは考えられます。

 

が、仮に少なくした時間で回らない場合は人を増やすことになります。

それでも仕事量ともらえる給料の不平等感は消えません。

 

もちろん効率をあげよ!とかミスなくやれ!というのは簡単ですが、それができたらとっくの昔からやっている訳です。

だって、現在進行形で余計なコストを使っているわけですから、今に始まったことではないのです。

 

なので、制度やルールの調整によって解消するには限界がある訳です。

 

そして、残業が規制されると結局、人の数か仕事量を減らすことでしか対応ができないわけです。

でも一度上がった給料を落とすことが容易ではない日本ではあまり根本的な解決には至りません。

 

低いパフォーマンスであることに対する調整が一切ないのであれば給料を上げ続けるしかありません。

 

むしろ、現行の給料で最も高い水準をベンチマークに、世代関係なく有能な人間から順に給料を上げ、全体の給料レベルを一気に引き上げる具合の形にしてほしいものです。

 

それができず、後発世代が上がり切らずに伸び悩むのは見てられません。

 

若い世代にはそこのお前も含まれますし、本気で企業として成長するならば老人を虐げよとは言いませんが、実力のあるプレーヤーをそれ以上に優遇するというレベルまで明確にしてほしいものです。

 

そんな消費税増税と生活物価のインフレに撃沈しそうな若い世代の叫び。。。。

 

 

ほいでは