そこのお前の外資系勤務と与太話ブログ

凡人が行く外資系企業勤務やキャリアの与太話や裏話。緩いのと辛いのまぜまぜ。人見知りやビビりだって人生案外イケるじゃんって思ってもらうための与太話。毎週月曜・水曜・土曜日更新予定

「就活の軸」がハリボテだとキャリアもハリボテになるかもしれない話

 

社会人として思う、考えておけばよかった「就活の軸」

 

就活は試験勉強のように美しい物ではありません。

勉強すれば点数が上がる、点数が上がれば合格する。

といったような種類の試験ではありません。

 

人が人を選ぶ世界、100社100様の基準

 

ともすれば学生側からは全く理解できない選考基準な場合もあります。

 

ホームランバッターが欲しい会社もあれば、足の速い人が欲しい会社もいます。

守備の上手い選手や球の速い選手が欲しい場合もあります。

 

本当に企業の好みとその時の状況次第だったりします。

 

 

採用側も常に100%正しい判断ができるわけではありません。

そんな残酷で理不尽な世界の中でよい縁を手繰り寄せなければならないのです。

 

そんな就活における個人の心の在り方を長らく考えていましたが、早いものでそこのお前も学生を選ぶ側に回る立場になりました。

 

徐々に就活関連のイベントに呼ばれることも少なくなり、当時の記憶も薄れてきた中で、遅まきながらも長らく鬱々と考えてきたことについても一定の答えが出てきたのでここで書いておきます。

 

自分の120%を引き出し続けてくれる企業を選べ

 

といったところでしょうか。

サラリーマンをやるならば会社内だけでなく、世間に通用する人間にしてくれるかどうかのイメージが湧く会社が理想形だと思います。

 

就活の“軸”

 

 

当時はこの言葉を聞くたびに軽い寒気と借り物の概念の薄っぺら感を感じていて、口に出したくない言葉でした。

どうも多用されすぎて元々使われていた意味が拡大解釈されてぼやけてしまっている気がします。

 

内定を取るためのキャラ付け

 

 

この意味に勘違いをしやすい状況になっているんじゃないかと感じています。

 

ただ、これはある程度仕方がないことだとは思います。

日本での一般的な就活はいわゆる「受験」のような要素を多分に持ちます。

将来のキャリアよりもまず「内定」という関門を通過することが重要だという考え方になりやすい環境です。

 

これは昔からの終身雇用慣行の考え方の名残なのか、会社に入ったらあとはもう変えられる可能性が低いから入り口にすべてを賭けるという考え方と言えます。

 

そのため、より成功率の高い行動を組み合わせて軸とするというようなアプローチが多いです。

これが就活生からいつも聞かれるどんな「就活の軸」がいいですか?

という質問でした。

 

個人的には就活における優先決定要素ぐらいで認識していましたし、実際その程度のものです。

「自分が一番ノビノビ働ける場所に行こう」っていう程度に決めていました。

 

 

他の人にその呼び方で話をすると伝わらないのでここでもわかりやすく“軸”という言葉を使います。

 

この就活の軸を決めるにあたって、大まかに2軸を考える必要があります。

 

自分軸

 

(自分が)何がしたいか?

(自分が)何ができるか?(または何をやってきたか)

 

企業軸 

 

(企業から)何が求められているか?

(企業で)何をすることになるか?

 

この4点を主な要素として就活における取捨選択をすることが重要なわけですが、このバランスを間違えるといい選択をしにくくなります。

 

そこのお前でいえば、自分が一番ノビノビできる場所は

  1. 数字や論理で勝負できる環境
  2. チームで何かの目標に向けて努力するチーム仕事
  3. 日本以外の環境が身近なところ

この3点が自分が一番やる気が出る場所と思っていたので、これらを高い割合で満たす場所を探しました。

 

収入や休日、福利厚生については付随的な物だったので、あんまり参考にはしませんでした。

結局、配属されたチームや業務内容によっても変わるのであまりアテにならないなぁとは思っていたので。。。

(※実際、残業していないように見せかけたり、休んでいるように見せかける社員も多くいるようですしねぇ。。。)

 

とは言っても、新卒で入る会社にすべてを賭けていたわけではありません。

なぜかというと。。。

 

平成が終わった時代の就活

 

 

すでに平成が終わった時代、終身雇用制度も少なくなり、第二新卒やキャリアチェンジも非常に活発になりました。

 

もちろん、新卒で自分の望む企業に入り、きちんと自分の望むキャリアになればいいです。

が、それが叶わない場合に自分を支えるのは企業ではなく自分自身となる時代になりました。

 

一度、入る会社に失敗しても後で取り返しが利く可能性は十分に高くなっているのです。

 

 

現代では就活はすでに「新卒として入社する企業の質」に全身全霊をかけるよりも、自分自身と向き合い、理解し、社会や会社を分析して考える「過程とその精度自体」の方が意味がある時代に変わったんじゃないかと思っています。

 

ちょっと前の就職氷河期と言われたような内定率が非常に低い場合ならいざ知らず、現在のように大学生の内定率が90%を超えてくるような世界ではますます企業側に寄せることが重要な戦略であるとは言えない状況になってきました。

 

内定を得やすくなったことで、むしろ、わざわざ企業にすり寄らなくても内定を得る確率は上がっているのです。

同時に転職市場の活発化は内定を得た後に無理して我慢の末に企業に尽くす価値も相対的に減じているので、一つの企業に拘る意味は薄れています。

 

そのため、よりしっかりと自分自身を理解するほうに比重を置いた方が結果的に満足できる選択につながりやすいと感じています。

 

つまり、就活は内定を得るよりも自分自身の市場価値を理解し、かつ自分自身がどこで売れるかという事を考える最適な場所になったわけです。

 

さて、そんな就活ですが、そんな本質的な成長の機会であることはあまり強調されません。

だって学生にとって耳が痛くて、わかってはいるけど受け入れにくい話だから。

 

企業の様々な学生向けのマーケティング 

 

 

就活に一般的な正攻法があるかのように宣伝する就活塾が出てきたり、就活関連のSNSが存在します。

 

就活プラットフォームを持つサイトも人気や収入、離職率、社員満足度、有休・育休取得率など様々な指標でランク付けし、企業側もそれを売りにします。

 

あたかも入ったら必ずそのランキングにたがわぬ人気で高い収入やよい福利厚生・満足度で転職を考えることなく満足なキャリアを送れるというかのように。

おそらくある程度のベンチマークにはなりますが、100%保証するものではありません。

 

それに期待してしまう学生の心理もわかりますが、もっと現実は残酷であることを同時に考えねばなりません。

何ならランキング指標だけよくて、中身が伴わない企業すら存在します。

 

 

実際問題、就活サイトは就職後の面倒は見てくれませんし、最初はお客様扱いをしてくれる企業も入ってしまえば一番末端としてキャリアがスタートします。

そのため、企業に入ってからしばらくは自分の思い通りにできる部分は非常に限定的になることも多いです。

 

そういう時期も含めて会社に入った後にどのような生活を辿るかどうかという点を考える必要があります。

が、実際にはそこまで考えた就活をできている人はそう多くないと言えます。

 

学生サイドには時間や情報量と内定後の未来の想像が可能な範囲に限りがあるため、「内定」取得に注力してしまうのは避けられないことです。

 

内定後に会社と個人がマッチしないという話は聞くモノの、内定がなければ未来もありませんね。

なので、先のことまで考える余裕もなくなりやすいことは確かです。

 

むしろ内定の為に非常にシンプルで迷いなく行動することが必要な瞬間もあります。

 

ですが、これは自分自身をしっかり理解している状況である限りは有効ですが、知らない間に自分を偽ることは避けた方が得策と思います。

(※就活時間が短い人にはかなり酷な課題ではありますが。。。)

 

自分を偽るというハリボテ

 

自分を偽るというのは主に企業側の求める人物像に寄せ、自分軸の2点を無視した自分を作るととここでは定義します。

 

まぁそれはそれで一種の処世術であって、カメレオンのように変わることができるのはむしろ一つの長所になりえます。

それができる人は企業側の2点にギンギンに寄せてもいいかもしれません。

 

ハリボテも極めれば立派な城になります。

 

(※それに抵抗がない人は問題ありません。それに抵抗がある人や苦手な人は会社に入ってから苦労します。)

 

実際、そこのお前のようにそれが得意ではない場合は、周りに合わせようとしすぎるとあまりいい将来が待っていなかったでしょう。

 

とはいっても、

そうでもしないと企業に取ってもらえないんじゃないか?

 

とか

社会人の人に評価されるほどの自然にできた軸なんてない。。。

 

と不安になる人もいるとは思います。

 

この場合でもなおさら不安に駆られると空回りします。

 

結局のところ、よっぽど自分を作りこめないと企業側の担当者はごまかせないわけです。

不安だから企業がいいと思ってくれるような人を演じようとするのはどうしても違和感がにじみ出てしまいます。

 

むしろそれでごまかせてしまうような企業に入ることは危ういかもしれません。

結局、よく見ていないということなので。。。

 

実はそれは日系大手企業で100人規模で採用する場合なんかは十分に起こりうる話です。

そこのお前も最終面接が集団面接という驚くような採用現場も通過しました。

 

この場合、何かがわかるというよりはもはやギャンブルに近いような状態です。

本当に自分が入っていいのか逆に不安になります。

 

結局、何が見られているのか。

 

 

加えて、企業も今の時点での完成度だけを見ているわけではありません。

重要なのは、現時点での完成度ではありません。

伸びしろがあると期待感を持てる要素がいくつあるか?です。

 

ここがわかっていないと、いくら面接のテクニックや適性試験成績が万全でも決め手を欠くことになります。

 

人前で目立つ力なのか、コミュニケーション時の表現力なのか、過去の経験なのか、または考え方なのか。

場合によってはウチにあってるな!なんてフィーリングで終わってしまう世界です。

 

これらに光るモノ、感じるモノがあったほうがずっと取ってくれます。

 

そこのお前も結局最終的な決め手は

やってきた事が多岐にわたって取っ散らかってるけど、面白そうだから採った。

 

なんていう訳の分からない内容でした。

 

これは事前に予測できず、新しく自分で作れるようなものでもありません。

 

そのため、自分が何をしてきたか、何がしたいか。

について、非常に強く分析することが必要になります。

 

具体的にしたいことがなくたって、今ままでやってきたことは何で、出来ることが何です。

というアピールだっていいわけです。

 

とにかく、企業と自分がマッチしているか判断できる程度の自己理解と企業理解ができている企業に入ったほうがいいという事です。

 

そういった企業に入り、かわいがってもらい、育ててもらえれば後から収入や肩書がついてきて、期待した以上の人生に化ける可能性だってあります。

逆にいい企業に入っても、かわいがってもらえなかったり、強化育成対象から外れたりした場合は思い描いた人生を下回る可能性もあります。

 

だからこそ、就活の軸がハリボテだとキャリアがハリボテになり、期待外れにもがく可能性が出てくるのです。

就活の前から考えていればOKですし、就活終わってから考えても遅くはありません。

 

ですが、就活と同時に自分と向き合うのが一番抵抗なくやれる機会だとは思います。

 

ので、企業の売り込みや自分と違う人間の成功事例をまねするよりも自分で自分を決めるという過程を楽しんでみてください。

 

ではでは