【キャリア】外資系企業の洗礼を受けた話【現実】
そこのお前は一年目はいわゆる落ちこぼれでした。
当時は目だないどころか、悪目立ちするほどに周囲からもネガティブな認識を持たれていました。
ですが、そこから10年弱ほど経った今では幸いなことに順調なキャリアに変化しています。
外資系企業らしい派手な洗礼。
まぁそれが逆に気持ちを盛り上げる要因にはなったわけですが、その時は本気で転職を考えました。
具体的に何が洗礼だったのかというと、評価の付き方です。
1年目で早速、悪評価を付けられました。
会社の査定とは不思議なもので、一度ついてしまうとその評価を知っている人には強い何らかの先入観を植え付けます。
しかもそれが次の査定タイミングである1年後まで続くわけですから、結構長期にわたります。
そんな悪いレッテルをばっちり一年目から背負わされたという話なわけです。
大きく分けて2点あります。
- 評価期間の無視
- スキル・専門性の無視
評価期間の無視
通常、新卒で入社する場合のタイミングは4月が一般的ですが、その後の諸研修を経て、晴れて配属されるのは7月~9月程度になるものです。
そこのお前の場合は7月からの配属になりました。
というわけなんですが、評価の切れ目は1月~12月になります。
その年12か月の評価で個人査定が決まります。
新卒に限らず、年の途中で仕事をスタートさせる場合は基本的に不利です。
ましてや、他のチームからの異動でない場合、前からの積み上げもありません。
前任者の仕事次第ではありますが、他の人に比べて期間が短く、慣れることにも時間がかかることから、多くの場合は成果が出にくいわけです。
スキル・専門性の無視
そこのお前の場合は上記に加えて新卒です。
当然、周辺知識も少なければ、社内人脈もない「右も左もわからない」状態です。
そこに若いチームに入れればよかったですが、経験者で固められた専門スキルがものをいうチームの配属でした。
自分を除いた最若手でも30代後半、上は50代中盤というスペシャリストチームでした。
スペシャリストチームに所属する上において、未経験であることは致命的です。
そもそもそこに配属する神経が知れませんが、研修目的にしても酷すぎます。
そんな中、22~3の若造がたった半年間でそんな彼らと対抗せねばなりませんでした。
まぁ当然勝ち目がないわけです。
もちろん、自分でやってても至らなさを感じるわけですし、日々無力感に苛まれ続けるわけです。
ストレスも一時的に増しました。
結局、そのまま何の下駄も履かされずに評価され、結果はぼろ負け。
挽回する間もなく、評価タイミングでは悪い評価をいただきました。
そうこうしている間に、同じようにキャリアをスタートさせて良い評価を得ていた同期とはある程度差をつけられました。
それもあって、どこに行っても引け目を感じる。
そんな1~2年目でした。
何の考慮もなく、そのまま悪評価
新人に容赦なく悪評価をつけるのが外資系企業の現実だと思い知らされました。
(※どうやらそうではないらしいが笑)
やってくれたな。
正直な感想はこうでした。
それが一年目の外資系キャリアの洗礼でした。
正直、入社を後悔した瞬間もありました笑
結果的にがっつりボーナスも削られ(むしろ次月給料から天引き)、昇給もせず、他の同期に評価・給料が追い付くのに数年を要しました。
それでも数年で済みました。
ズルズルと沈み込んでチャンスも与えられないということはなく、その後のチャンスを着実にモノにすることで悪影響を最小限にとどめました。
理想は自分自身で克服し、勝ち取った逆転劇といいたいわけですが、まぁそんなことはありません。
基本的に若い時のキャリアはその変動幅も大きく、逆転・どんでん返し・大転落いろいろありうるわけです。
様々なラッキーと向こう見ずな反骨心が自分を支えてくれました。
もちろん自分自身がなければ何も起きないわけですが、最終的にはたくさんの人からの理解や助力がなければ同じく何も起きません。
結果的に研修期間としては通常通りの任期を終えて、次の異動に進んだことが好転のきっかけでした。
そこはそこのお前に向いているチームで、やりやすい状況が回ってきました。
やはり、落ちこぼれはいる場所や一緒にいる人によりけりだと思うのです。
世の中のほとんどの人は自分だけではない何かに作られながら生きていると言えるわけです。
そういった周囲の環境を気にせず突き破れる稀有な才能を持っている人もいますが、そういう人だけで世界が構築されていることはありません。
そんなそこのお前の逆転に際して深く感じたことですが
悪い評価を覆す
これに非常に苦労しました。
そこのお前に限らず、結構これに苦しむ人は多いと思います。
良い仕事をするとかいい印象を与えるということには特に不安感等はありませんでした。ただできることを全力でやるだけだと割り切っていたので、特に変わることはありません。
ただ、この悪印象を払拭するということに非常に大きな不安を抱えました。
同時に、飲まれないように自らを鼓舞することにエネルギーを必要としました。
役者の世界でもそうですが、
悪役のイメージが付くとなかなかいい役で出にくくなる
とか
一度抜群に目立つ主人公のイメージが付くと他の作品に出にくくなる
とか
デビュー作のイメージが強く残りやすい
などといわれたりします。
要は、一度キャラが付くとそれを払しょくするには最初のキャラ付けに比べて時間と労力を必要とします。
それは逆もしかりです。
いいイメージが付けば多少の現実には目をつぶってもいいイメージが付きやすく、それだけで得をするわけです。
特に最初に悪い評価をもらうと一層悪いイメージが付きやすいわけです。
第一印象は30秒で決まるなんて言われたりしますが、ちゃんとした印象を持ちなおしてもらうには30秒では足りません。
面接ですら挽回するにしても30秒どころではすみません。30分ぐらいかかりますし、その間に面接は終わってしまいます。
それと同じ構図なわけですが、1年かけて張り付けられた悪い評価のイメージはその後覆すことに苦労しました。
2年以上かかったでしょうか。
2年かかってフラットな状態に戻し、そこから2年かけてよい方に転じさせて、もう2年かかって安定させたというところでしょうか。
強調したいのは、その時点で3年近くのビハインドが生まれるということです。
たられば論は不毛ですが、最初からいい評価を同じ勢いで得続けることができたとすれば、3年の間に既にいい評価の安定期に入っているということになります。
残酷な現実です。
が、幸いだったのはその悪評価がそこまで広まらなかったことでした。
今となっては若干の恨み節を持ったぶっちゃけトークとしてはうってつけのネタにできていますが、当時は本気で自分自身を心配しました。
挽回にあたっては特に以下に苦労しました。
- 悪評価を付けた上司
- 悪評価であることを知っている他の管理職連中・チームメンバー
- 悪評価であることを偶然知ってしまった他のチームの人
この3つのカテゴリーの人の印象を覆すことに大きな時間を必要としましたし、エネルギーも消費しました。
偏見というほどではありませんが、やはりネガティブな先入観が頭にある分、良い仕事を積み重ねても上記1~3以外の人と比べてどうもよいイメージが定着するまでに時間がかかりました。
少しでもミスがあると、やっぱり悪評価を取った理由があるんだな。
とちょっとのミスでも根が深い悪いものとして捉えられやすくなってしまいます。
逆にいい評価を受けていた同期なんかは、ミスすることもあるんだね!なんていう非常に暖かい目線をもらっていたそうで、不平等感は否めませんが、現実を思い知らされる結果となりました。
そんな中、
- 悪評価だったことを知らない他チームの人
- 悪評価だったことを知らない中途転職で来た人
- 悪評価だったことを知らない社外の人
これらの方々とは非常に仕事がやりやすかった感覚があります。
特に悪評価というレッテルが上塗りされなかったため、仕事上の成長と共にきちんと合わせてよく見てもらえました。
そのため、その人たちとの関係を手厚くして、周りから自分の評判がきちんと広まるように意識しながら仕事をしました。
どうせ色眼鏡かかった人たちの評価を独力でひっくり返すのは難しいわけです。
周りの人が褒めているという事実が伝わって客観性が出るまではおとなしくしていました。
一度色眼鏡がかかっては自分の力だけではコントロールができません。
本当にじっくりと勝負する選択をしたわけですが、結果的にはこれが功を奏しました。
今ではこの経験が逆に自分を逆境に強くしてくれた出来事になっています。
外資系の洗礼を受けたわけですが、それでもたくましく生きることはできています。
悪い評価を取ってもすぐにクビにはなりません。
後からどうにでも取り返すことができていますし、会社も今ではそこのお前を大切に扱ってくれています。
本当に評価は不平等だと思うものですが、後からでも取り返しが利くのは外資系でも同じなのです。
むしろ取り返しやすい環境かもしれません。
若手の内に評価が上がらないからと言ってすぐにその企業を諦める必要はないなぁと感じています。
キャリアは短期決戦ではなく長期戦ですから!