そこのお前の外資系勤務と与太話ブログ

凡人が行く外資系企業勤務やキャリアの与太話や裏話。緩いのと辛いのまぜまぜ。人見知りやビビりだって人生案外イケるじゃんって思ってもらうための与太話。毎週月曜・水曜・土曜日更新予定

【詳細版】外資系企業勤務の正体って?~就活編~

さて、外資系企業勤務の正体も最後です。

第6弾、就活 

sokono-omae.hatenablog.com

 

 

はい、外資系の正体って?のシリーズも最後の章です。

 

これは特に就活生向けの内容になっていますので、新卒で外資系を検討している方やなんとなく気になっているなという方はご一読ください。

 

外資系企業に内定をもらう人は就活強者であるというただの思い込み

そもそも就活における外資系企業は日系企業を受ける時とは全く違うものと考えていいと思います。

 

入ってからよりも入る前の方が違いが際立つようにできている感じがします。

正直、毎年就活をしているわけではないので、最新トレンドを網羅的には把握できませんが、下記のように説明します。

 

外資系企業は一般的な大手日系企業とは、

  1. 採用方法
  2. 採用プロセス

この2点が大きく異なります。

 

採用方法

多くの外資系企業はいわゆる日系大手のような総合職&技術職(+事務職Or一般職)といったような区分けとは違い、より細かく部門ごとに分類した採用方法を取ります。

(※もちろん日系企業でも部門別採用を行っている企業はあります。)

 

例えばメーカーであればマーケティング職・営業職・開発職・サプライチェーン職・生産技術職・人事職・ファイナンス職などのように細かく分けて、それぞれの部門が採用したい応募者を採用します。

 

この違いは育成方針から来ます。

 

日系企業のように様々な部門を時間をかけて回すことで育成を図るシステムではなく、最初から部門でその道のスペシャリストとすべく採用を行います。

 

そのため、何でもやります!やる気と根性が取り柄です!という学生はハマりません。

 

それよりは自分のこれまでの学習歴・経験・性格から考えて、

この部門が向いている!

とか

この部門のこの仕事をやりたい!

と強く考えたところに狙い撃ちで応募する学生の方が注目を引きやすくなります。

 

その主な理由は、欧米系の企業の採用およびキャリア構築のスタンダードが前提に存在するからと言えます。

 

欧米で主流の就職活動は将来を見据えて、学生のころから何等かの分野に特化して学習・研究し、それをベースにキャリアのスタートを切るという流れが一般的です。

 

つまり、一般的な日系企業で主流とされる、入社後にどの部門で何をするかはわからないけど、採用しますといったやり方は会社も学生も嫌がります。

要は個を主体とした個人と会社のマッチングを行います。

 

一方で日系企業では、やりたいことを絞りすぎたアピールをすると、様々な部門に時に応じてトップダウン的に異動させて育成するシステム上、興味のない分野にいる間に転職するまたは仕事を本気でしないんじゃないかというリスクを重く見られ、扱いずらい学生として敬遠されがちです。

 

これは日系企業が好む、組織を主観とした会社と個人のマッチングに合わなくなるためです。

 

この違いがあることをまずご理解下さい。

 

これはどちらがいいか悪いかという話ではなく、採用・育成戦略上の目的及び好みの違いです。

 

結果的にどちらがいいかはたらればの話ですし、後悔しないと自分で信じることができる道を選べばいいのです。

 

 

正直、そこのお前は就活の段階では、かなり海外キャリアに興味あるアピールをしたため、多くの日系企業からはやや敬遠気味の状態でした。

 

逆に、外資系の就活のように部門を絞った採用に臨むときは部門に合わせてより具体的なトークができるため、いくつも用意するのは面倒ですが、実戦自体はやりやすかった記憶があります。

  

さて、双方のスタンスの違いを理解していただいたところで、採用プロセスの違いについてですが、今度は個人の資質のどこを見るか?という話に移ります。

 

採用プロセス

 

ここでは、外資系企業の定義の範囲を少し狭め、新卒採用をする企業(いわゆる規模の大きな外資系企業)がある程度共通して新卒に求める要素について、採用プロセスと実際働く上で最もフィットすると感じた内容を説明します。

 

まず、基本的な傾向として、外資系大手企業の新卒採用プロセスは実技を用いながら、より丁寧に候補学生を分析します。

感覚や経験、担当する人によるばらつきを防ぐために多くの要素を定量化して評価することを目指した過程を構築します。

 

実感としては、外資系大手企業のセレクションは確かに非常にハードルが高いです。

 

グループディスカッションや記述試験、口頭試問など、様々な方法を駆使して、振るいにかけられます。これらの内容や方式はおそらく年々磨きがかかっているんじゃないかとは思いますが、本当に限界まで実力を試されているかのような感じになるようなプログラムもあります。

 

入社してから会社の中で話すと「こんなの通る自信ないよ!」なんていう社員がごろごろいます。

 

最初にエントリーシートの提出と適性試験(SPI等)を実施するところは多いですが、それらを突破した後には面接に加えて様々な角度から候補者の資質と持っているものを調べていきます。

 

その点では採用人数は比較的多くない分、一人ひとりに時間をかけてセレクションを行っているといえます。

特にそこで重視されるのが、下記の要素と言えます。

 

・論理的思考力(読解力)

・数字を根拠にした戦略・思考展開力

・簡潔な説明能力(1対1または1対多) 

 

これらをベースにして

+会社または部門への適性(自己表現内容・考え方の癖・他人とのかかわり方・キャリア志向など)

 

3点を基礎として、+の部分を見ます。(※+の部分は日系企業も重視しますし、詳細は企業ごとに大きく変わります。)

3点の基礎は必要条件ではありますが、このハードルの高さが外資系企業の採用過程突破のしやすさを決めるでしょう。

 

シンプルに整理すると、

1、与えられた課題に対して、その場の情報をどのような思考過程で展開し、答え導き出したかを

2、より短く・理解可能な形で表現できる力をとわれ、

3、それを素早く、質高く行える程度を評価されます。

 

簡単ではありませんが、ここが要諦です。 

 

正直、コンサル業界の志望者は頭脳化け物が多いです。尋常でない速さの頭の回転と豊富な経験・知識量を持ち合わせる人たちがひしめくので、巷での噂通りかなりの難関です。

 

ただし、すべての会社がコンサルに行けるような人間を欲しがるわけではないので、無理して真似をする必要はありません。 

 

例えば、グループディスカッションで行う場合は、集団で上記を実現するにあたって、どのような役割を集団内で果たしたか?を見られます。

これは決して、先導し続けるだけが正解ではないですし、他の就活生を徹底的に叩き潰すゲームでもありません。

 

集団としての成果を見ていると同時に、就活生がその中でどうチームプレイできるかを分析しているのです。この分析結果が会社がほしいタイプに合致するかどうかという点をとても重視します。

 

会社によっては協調性が高い人が好みですし、もしかしたら体育会系が好みかもしれません。同時にとりあえずやってみるというよりもきちんと考えて比べてから行動する人が好きかもしれません。

これは会社によって差がありますし、もっと言えば年によっても変わることがあります。

 

これらのタフな実技を実施する良い点

採用プロセス時点での実力をより深く把握できるいうことで、ただ面接や短めの実技をやるよりもはるかに具体的で多角的に就活生のことを把握できるという点にあります。

 

もちろん、将来どう成長するかはその時点ではわからないので、伸びしろ判断は勘と経験に頼る部分はどうしても出てきますが、採用判断の理由をより明確にし、伝えることでミスマッチのリスクを低減することを狙っています。

 

同時に、就活生側もきちんと判断してもらったことによる納得感と満足感を得ることで、最終的に入る会社を選ぶにあたって大きな影響を受けます。

 

そこのお前は日系企業への応募も行いましたし、大手総合商社等への内定もいただきましたが、結果的には外資系企業を選ぶことになりました。

 

この時、非常に多くの人から様々な批判や落胆のため息をもらいました。(これについてはまた別途書きます。)

 

ですが、個人的には日系企業よりずっと丁寧に深堀して自分自身を見ていただいたことと、その他大勢(それこそ、名もなきそこのお前)ではなく、自分自身を見て採用を決めたというメッセージを非常に具体的なフィードバックと共にもらい、決して個人を埋没させないプロセスに感謝と誇りを感じたことが最終的な決め手になりました。

  

このように日系企業外資系企業では採用戦略や採用の好み・見たいポイントの違いから、全く違う就活になります。

全部一緒の対策でOKといかないですし、新卒での外資系企業入社は中途採用に比べて異なる難しさがあり、なおかつ格段に大変だと言えます。

 

そのため、外資系企業の内定をもらうことがある種のステータスのようになりがちですが、それも思い込みすぎです。

 

頭脳的な実力が確かであるということのある程度の証明にはなりますが、その就活生がどこに行っても通用することを証明するものではありません。

 

それは日系の誰もがうらやむような有名企業に内定したとしても同様です。

あくまで新卒採用は将来の成長を見込んだ先物買いですので、まだ可塑性の高い就活生の将来性に賭けるある種のギャンブル未経験採用です。

 

就活生も入る会社によって大きく影響を受けますし、それがプラスに働くこともあれば、マイナスに働くこともあります。

 

ですので、外資系だからとか会社のネームバリューといった側面のみではなく、いかに自分がプラスに働く影響を与えてくれる会社に入るかという目線で考えてください。

 

そうでないと会社の看板を借りないと個人のアイデンティティを確立することができなくなってしまいます。それではせっかくの能力が誰のものかわからなくなってしまいます。

 

個人的に思う外資系のキャリアの考え方は、

個人の能力は誰のものでもない自分自身のものであり、その力を認識し、磨いていけば、それを求める企業がある。

という考え方の上に成り立っています。

 

そのことを忘れずに、大勢の中のナンバーワンを目指す以外にも自分にとってのベストワンを選ぶことに比重をおいて就活する先を選んでみてもいいのではないかと思います。

 

それが結果的に個人のポテンシャルを最大限活性化させることとなり、収入や社会的ステータス以外にも人生の充実を得ることができる道を切り開いてくれるはずです。

 

最後に、この記事を置いておきます。

 

 

sokono-omae.hatenablog.com

 

 

迷う心の後押しになればと思います。

 

またねー