そこのお前の外資系勤務と与太話ブログ

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【詳細版】外資系企業勤務の正体って?~組織・文化編~

どもです。

 

 

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今回のテーマは第4弾、社内での主義や文化とその考え方のお話です。

 

実力主義個人主義であること

これも、日系企業と別次元レベルで違うと思われる場合もあるようですが、結局は業態・業務と個人によります。

 

多くの大手日系企業と比較すると、実力または成果の多寡について多くの日系企業よりも重要視する評価制度を持っている傾向にあると考えられます。

 

実際、年上の部下、年下の上司というのは昔からよくありますし、昇進するには確かな実力と実績を積む必要がありますし、昇進した後も若手のスターから下剋上を食らうこともあります。

 

これは外資系だけのルールではありませんし、日系企業の中でもそういった制度に寄せていく傾向はあるようですので、外資系大手コンサル等の一部の企業を除いて、それと特段変わるということはないと考えられます。

 

一方で、多くの日系企業とは異なるヒエラルキーが存在します。

年齢・年次はほとんど重要視されず、結果が出るところには惜しみなくリソースを投入し、活性化を図るので評価や存在感の違いも大きくなりやすいです。

 

実力のある人間に積極的に還元していくスタイルのため、できる人とできない人の差がより開くことになります。外資系企業はあまり従業員の均質化には主眼を置かないため、自分の仕事ぶり次第ではより大きな仕事を積極的に獲得することができたり、自分に有利な待遇を会社から引き出すことができます。

 

とはいっても、単純に個人のみの指標や成果で測ることのできない業務も存在しますので、何から何まで実力主義を徹底し、激しい競争を強いるといったこととは意味が異なります。

 

例えば、法務部門等のバックアップサービス部門に競争を巻き起こそうと思ってもなかなかうまくいきませんし、前後のプロセス間との協力が必要で足並みを合わせる業務が多い部署に競争を用いても、それぞれが自分勝手な行動になりかねないため、必ずしも個人の実力だけを見ているということはありません。

 

ただ、一般的な日本文化と大きく異なるという意味では、上下関係の構築のされ方が異なるというのは非常にわかりやすい部分と言えます。

 

昨今の新興ベンチャー企業等もこういった方針を打ち出している企業が目立つようになってきましたが、若手のうちにやらされる雑用負担が少なく、積極的に本質的な業務に参画させ、業務以外の雑務分担(例えば飲み会の幹事が持ち回りだったとか、上司が自ら企画していたりとか)は非常に柔軟です。

(※やらされたり、強要されたりはしませんが、やった方がトクをする場合は多いです。) 

 

そもそも、会社全体で強制参加のイベント等もあまり活発でなく、やりたい人がやりたいようにそれぞれで行うことがベースですので、年上だからおごらなきゃいけないとか年下だから呼ばれたら絶対従わなければならないといったような雰囲気は非常に少ないです。

このように、仕事以外で会社のヒエラルキーの存在が顔を出すことは少ないです。

 

また、いわゆる「やりがい搾取」のような、先輩社員が後輩社員においしくない、あるいは面倒な仕事を投げつけるということもやりにくいようなシステムになっています。

というのも、各個人の担当を明確に決めるので、この場合は誰、この場合は誰。というのを明確に決めたがります。

そのため、チームや部門として仕事を受けているのではなく、それぞれの担当が仕事を受け、基本的には個人ですべてカバーし、チーム内での自由な融通の余地を少なくする傾向にあります。

 

その結果、ベテラン社員も自分でコピーやスキャンをするし、会議設定や調整、必要な資料作りやデータまとめ等も各々がやります。雑用の丸投げも基本的にはありません。(先輩・後輩等は関係なく、やる義理もないので個人がすべて行います。)

 

あるいはチームまたは部門の雑務サポートのような専門ポジションを用意する場合もあり、年次によるヒエラルキーや体育会系的文化による年上が得するシステムというのがあまり根付かないような仕組みになっています。

 

 

 理屈屋・結果のみにこだわる

 

この点に関しては下記のように感じます。

意思決定を行うにあたって客観的な数字に基づいた合理的な仕組みを敷いている会社は多いです。

 

とはいっても、意思決定に際して必要な要素が日系企業とは違うため、より全員が納得するための仕組みとして共通言語としての数字を利用することになることは確かです。

そのため、基本的に結果に対してどの程度数字として貢献することをやっているのか?という点をシンプルに追及することになります。

 

理屈という意味では業種でいうと戦略コンサルタントが抜きんでて特化していると考えられます。ですが、外資系だからすべてがマシンのような無機質な理屈オンリーになるものではありません。

 

また、人事評価の差別化にあたって、結果だけでなく、どのような行動をして、周囲にどのような影響を与えたかという数字に残らない点を評価する仕組みも当然多くの企業が保持するので、冷血すぎる評価システムを敷くところはごく少数といえます。

 

同時に、会社としての形骸化した伝統や特に結果に影響を与えない業務や外注可能なものは徹底して排除するという意識が働きます。

 

昨今は日系大手企業も同様ですが、そもそも会社が割に良い給料を社員に払うので、同じ業務を外注することで安く費用を抑えることができるのであれば安く抑えてしまえという結論にたどり着きます。今はそれが自動化や機械化にトレンドが向いていますが、そもそもは極力社員を少なくし、他の安く代替できる所にどれだけ外注するかを考えます。

 

多少クオリティが下がってもそれが致命的でなければ、コスト削減とリスク低減の魅力次第では平気で後者を選ぶ傾向にあります。

その結果、内部で社員が苦労しようが、現場レベルでステークホルダーに迷惑をかけようが、最後にビジネスとしての結果を取れればいいという発想になります。

  

実際に、そういった非常にドライなケースが一定数存在することも確かです。

そういう点では理屈に合わないもの積極的に変えていくことを「理屈屋・結果だけを追求する」と表現されることもあります。 

 

戦略コンサルティング業などはその最たる例で、彼らはそこを大きな強みの一つとしてビジネスを展開しています。

彼らは様々なフレームワークを駆使し、よりバイアスを取ったゼロベースでの提案を念頭に置いていますし、全世界で繰り返し実行できるような一般化されたものに当てはめながら進めることも多いため、それぞれの特殊事情はいったん無いものとして取り扱った上で、数字と論理に基づいて徹底的に合理性を追求した分析を行います。

 

また、仮に事業会社だったとしても、特に外国人がトップや中核的意思決定者だった場合、日本のビジネスにおける特有の機微を察することはほぼ不可能なのと、彼らも本国から強い数字のプレッシャーを受けながら日本での仕事に携わっているため、空気を読んだり、遠慮したりということはなく、とにかく如何に短期で大きな結果を出すかということに執着します。

 

そして、その具体的な方策を決めるにあたって、感覚論はほとんど通じず、あらゆる場面で説得するための数字および論理的な理由建てを必要とします。

もちろんいい点もありますが、感覚をすべて数字に落とし込むことは不可能で、限られた情報や定量化可能な部分のみが数字と論理に転換されることで、最終的に日本に受け入られない結論を生み出すリスクをはらんでいます。

 

これの点は日本勤務歴が長い外国人であればある程度は知っているか、信頼して任せる誰かを知っているものですが、日本初見の人がその領域に到達することはまずないといえます。

すると、血も涙もないコストカットやステークホルダーへの無茶な要求など短期的結果の追求のための仕事を推し進める傾向にあります。

こういった会社としての日本的仁義や日本人的な筋からは離れた行動は外資系企業にありがちな傾向にあるといえます。

そして、結果が出れば、それはそれで評価されることになります。

  

しかし、同じ事業会社でも会社自体が成熟したマーケットの中で強固な地位がある場合は日本に長く展開をしている会社もあるため、一概に「外資系=上記の特徴を常に持っている」ということはありません。

特に元のビジネスが日本でオンリーワンのものだったり、技術的・規模的に最も優位な状態であるビジネスを持っている企業はそういった中核事業をベースに手堅くビジネスを行っています。

 

何らかの特許技術があったり、何らかの基幹技術を持っているがそれに該当しますが、それらの企業は海外が本国の企業であっても、あえて競争的な文化を持つ必要がないので、日本に合わせたビジネスの展開の仕方を長い歴史の中で身に着け、文化的にも日系企業に近い特徴を持った企業もあります。

 

そのため、外資系企業とひとくくりにして敬遠せずに、企業の特徴に合わせてみると同じ業界でも違いが見えてきます。

日系企業の雰囲気が苦手だけど、外資系の実力主義も無理!と極端にデフォルメして考えず、業界と会社・職に合わせて考えてみてはいかがでしょうか。

 

案外抵抗のない評価基準だったりする企業もありますし、自分に自信があったら評価が高まる会社もあります。

業界のトップである必要はなく、会社の中で比較的自分が強ければいいだけなのです。

外資系企業もピンキリありますので、ぜひ探してみてください。

 

第5弾!

 

 

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またね~