【キャリア】自分で自分の異動先をすべて調整した話【外資系企業】
一般的に外資系企業はクビがあるんじゃないかとビビられています。
基本的にはありません。
これは折に触れて何度も強調しておこうかと思います。
Up or outの会社以外では非常に稀です。
日本支社の撤退とか部署廃止とかといった個人に依存しない理由がほとんどです。
中小企業の倒産や今日の大手企業ですら行われているリストラと何ら変わりはしません。
なので外資系企業だって案外安心して泳いでいくことができるという話をします。
今日の話はなかなか一般化しにくい事例ではありますが、考え方の参考になればと思います。
自由度の高い外資系企業
日本の大手企業がいわゆるストーリーやシナリオの決まったRPGだとすれば、外資系企業はオープンワールドのRPGに近いです。
和ゲー・洋ゲーの違いで思い浮かべる人も多いかもしれませんが、圧倒的に自由です。
世界観や設定にコントロールされるというよりは世界に没入するという感じになる訳です。
まぁもうちょっと身もふたもない話をすると、言ったもん勝ち、やったもん勝ちなのがそこのお前のいる外資系企業です。
これは一般的には規模の小さい企業ほどやりやすいですが、他の企業も含めた外資系企業の場合は規模が比較的大きくなってもその傾向が変わりにくい気がしています。
特にキャリアや仕事などは本当にそうでした。
どのようにして会社は回っているのか
そもそも会社はあまり長期的なプランを提示することはありません。
業績でも個人の成長目標でも非常に近視気味です。
キャリアに関して言えば長期育成プログラムなどはありません。
むしろいろいろと長期的なプランがあるかないかを個人に聞いてきます。
悪く言えば個人にぶん投げですが、よく言えば自主性を促進してくれます。
とはいっても社員全員がそういう考え方、行動スタイルを持っているわけではありません。
自分の範囲をきちんと区切って何とかしたいタイプの人もいれば、言われるがままの方が楽で特定の希望を持っていないという人もいます。
それでも会社が積極的にガイドしたり、プランを決めたりという事はほぼありません。
(※一部の秘密裏に存在するプログラム等や特別に指定された社員は別。)
さて、そんな個人主義の外資系企業でそこのお前は不思議な体験をしたことがあります。
自分の異動先を自分で決め、異動スケジュールも全部自分で調整した。
当時、そこのお前は同じ部署にすでに複数年いました。
若手としては次の経験を積むべく他のチームに異動してもいいころです。
ですが、特に先のことを考えていることもなければ、何か用意がある感じもありませんでした。
あまりにも会社が異動について何も考えない、かつ、その場しのぎの理由を作る上司だったので待ちきれなくなって自分で異動先を探しました。
そしたら、最初なのでたまたまですが、うまくいったわけです。
会社内での自分の売込みに成功しました。
もう少し具体的には、そこのお前は引退する人がいるポジションを狙ってその空きが出るタイミングを人事が考え出すよりも早くアプローチし、異動先の上司、人事の外堀を固めました。
これによって機先を制し、気が付いた時にはその時所属していたチームの上司も断れない。
そんな状況にもっていくことができました。
これを繰り返していくうちに、コツと感覚をつかんでからは自分自身のキャリアの構築が主体的で楽になりました。
正直、それまでは異動を命じられたら、はい!わかりました!以外はないのかと思っていました。
我ながら、非常に日本的ですね笑
が、それは自分自身で諸々考えなくていい分、非常に受け身で会社に都合よく会社の好きなように突っ込まれるリスキーな可能性を潜在的に持っています。
むしろ、現実はアグレッシブに「次にここに行って何をする」というのを宣言したもの勝ちだったのです。
これにより、会社が考えるよりも早いスパンで自らの異動の戦略を練ることの重要性を理解しました。
会社主導のキャリアプランに従うことを考えた場合、
一般に数年周期で異動
状況に応じて次のステップが必要と判断された段階で異動
出世コースが定められており、会社判断で異動
ポストが空いた時にたまたまその時の状況で異動
(※中には、致し方ないから飛ばすというネガティブな意味での異動もありますが。。。)
ですが、上司が判断するにせよ、人事が判断するにせよ、それが元々の計画に基づかないリアクションストラテジーだった場合、異動のタイミングにラグが生まれることもあります。
また、上司の心理では仕事がある程度できる部下だった場合は手元に置いておきたい欲が働くので必ずしも真剣に考えてくれるわけではありません。
むしろ、自分の中で、ここでこれ以上やることがない場合や他の希望のチームがあるとなった時に飛びつけるように戦略を立てておく方がよりタイムリーで無駄のないキャリア構築ができます。
これが可能だったのがそこのお前の会社ということです。
転職を考える際には一年に一度は本気でなくとも他社の面接を受ける準備をして、自分の市場価値を測りながら客観性を持たせた方がよいというアドバイスもあります。
それは何も他社に限る必要はありません。
会社内でもキャリアチェンジ・アップの可能性は十分に広がっているのです。
実際、欧州勤務時の上司は、ほぼ毎日新しいオファーが出ないかどうかを社内サイトや人づてで探し、片っ端からよさそうなポジションに応募していくというスタイルを貫き、異例の速さ(新卒4年目程度)での昇進を勝ち取っていました。
このやり方には驚きましたが、会社が何かしてくれるのを待っていただけでは何も起こらなかったでしょう。
このことを知ってから、転職だけでなく、会社に所属する上での「社内キャリア」をより柔軟に考えるようになりました。
その方が今得ている地位を手放す危険性は低いです。
基本的には転職と比べて諸般のリスクを非常に低く抑えられるので難易度が低い調整だと感じました。
それに、自分を売り込むという意味では社外向けの転職とは毛並みが違えど自分自身を見直すきっかけになりました。
すぐに転職を考える前に自分に残されている選択肢が何かを考えるようになりましたし、必要に応じて他部署との話もするようになりました。
ただただ会社に所属し、今のチームでの仕事を受ける状態から、自分で仕事を選んでいくサイクルを構築することにつながりました。
これがやらされる仕事からやる仕事に変わるいい循環を生み出すことを助けてくれました。
仕事へのやる気もちょっとした認識の違いで大きく変わるものです。
自分でやるのは差し出がましいとか傲慢だというのは他の人が言う意見です。
当事者と会社がそれでいいならそれでいいぐらいに考えるべきです。
とりわけ個人のキャリアですから。
他の人と同じ条件でなければならないとか空気を読まなければならないと考えていると損です。
この異動のタイミングや積極性を持てるかどうかによってはスキルの習得の早さや成長速度に影響します。
ひいては収入の多寡まで露骨に差が出る可能性があります。
自分が自分がというのが先んじすぎてもいけませんが、少なくとも会社にとっても意味があり、個人にとっても意味がある互恵的な状況を確保できるのであれば積極性をもっていいハズです。
それを放っておくと逆に会社が空気を読まない異動を命じる可能性すらあるわけです。
そういう意味では外資系企業はやられる前にやっちゃえと考えるほうがラクなのです。
柔軟で個人のニーズも尊重する企業の方が自律的でストレスやフラストレーションの少ない環境でいることができると思うんです。
会社にフラストレーションがたまる人や自分で決めたい人は外資系お勧めです。
ほいでは!