そこのお前の外資系勤務と与太話ブログ

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【働き方】外資系管理職の諦める技術と決める技術【仕事術】

そこのお前が尽くした上司の中で抜群に頼りになった上司がいました。

 

その人はともすればサイコパスと言われかねないぐらい他人の利益に興味がない上司でしたが、恐ろしく合理的ですべてがロジックに基づいて行動できる上司でした。

 

変な感情的スイッチもなければ、理不尽な慣例要求などの凝り固まった考えもありませんでした。

 

そこのお前としては全力で突っ走る体制を整えてくれる非常に明確でわかりやすい上司でした。

 

ただ、外資系企業らしく、目標数値の達成に恐ろしくこだわる人だったので、それ以外はどうなってもいいという極端な方針にはそこのお前も含めて周囲が少なからず困惑していました。

 

特に、大きな欠点としてはローパフォーマー(目標数値の成果が上がらない、仕事が期待レベルを満たさない)に対しては徹底的に厳しく当たるという点がありました。

 

その上司の激しい詰めに耐えられずに苦労させられた人は数多くいます。

外資系企業のため、数字に対してシビアなのは比較的一般的な傾向ではありますが、その中でも際立ってシビアな上司でした。

 

また、部下には非常にロジカルで徹底した合理性を追求する一方で、合理性を超えて自身の上司や上位職位の人間を気持ちよくさせる技術にも秀でていました。

 

上司マネジメントとでもいうのでしょうか、本当に見られたくないところから関心をそらし、得意な土俵にもっていく技術も高かったです。

 

それ故、会社の中では非常に早い速度で優先的に昇進及びスキル向上の機会を手にしてきた人でした。

 

今思い返すと毀誉褒貶の激しい極端な上司でしたが、その中でも抜群に秀でていた部分があります。

 

ロジックに基づく判断力とその速さ

先延ばしにせずにタイムリーに決定し、必要な部分以外はそぎ落とすという点では他に並ぶ者がいない人でした。

 

そこのお前はビビりで臆病なため、その当時は決断をすることが結構恐ろしい事に思っており、苦手意識がありました。

 

なので、当時はその決断力に憧れを抱いたものです。

 

さて、その上司の判断力とその速さをいかなる要素が支えていたか?その上司のどこが優れていたかというと、以下でした。

 

超絶迅速な計算力と論理展開力

 

超が付くほどに数字と理屈に忠実でした。

もともと理系のバックグラウンドを持つ上司ではあるのですが、その中でも群を抜いてスピードの速い計算力と論理的思考力を持つ人でした。

 

そのため、一瞬で答えにたどり着く思考の速さと的確な質問や修正を入れる論理展開の確認に長けた人でした。

また余計なことはしゃべらず、単刀直入でダイレクトなメッセージを発する人だったので、察するのに苦労したりとか気分によって話が変わるという事は全くない人でした。

 

超絶明確な優先順位

 

その上司は常に、どれから順に切り捨てていいかの判断が非常に明確で一貫していました。

非常に簡単な例でいえば、
売上と利益であれば利益を優先する。
低コストと納品率でいえば納品率を優先する。

などなど。

これを非常に比較が難しい具体的な物でもきちんと持っていました。

 

これらの基準が明確で一貫していることで部下として働く上では非常に迷わないで行動出来た覚えがあります。

 

多少の悪者役を引き受けても持ち前の数字とロジックに基づいた判断で主張を通す技術や整理された優先順位に裏打ちされたスピードのある論理展開でその場を切り抜けていく力は絶妙でした。

 

この優先順位付けがしっかりできていることで無駄に追いかけない思考を持っていました。

時には人間関係を犠牲にしますし、時には他部門の数字を犠牲にしますが、そういった判断が通るのも他人に迷わせない優先順位付けのなせる業と言えるでしょう。

 

超絶明快な期待されるレベルの把握

 

その上司は、どのラインまで自分が到達すれば自分が評価されるか、ないしは責任を取らされないかというラインを見極めることが非常に的確でした。

この部分までいけば承認されるからここまでやれ。
他部門との衝突は、ここまで踏み込むけど、以降は譲る。

など仕事のクオリティや勝ちにこだわる部分と負けていい部分の切り分けが非常に明快でした。

 

同じ仕事でも今回はここまででいい、次はここまで必要などメリハリの効いた指示もありましたし、意味不明な指示はうやむやにして流れるのを待つという切り替えの上手い人でした。

 

同じ仕事をしていても、一番社内で評価を最大化できる方法は何か?という目線を持ち、決して不要なこだわりや美学に基づいた判断はせず、必要な分だけ行動するという原則を徹底していた人でした。

 

なので、仕事もどの程度までやれば認められるかが非常にわかりやすく、仕事する上でも納得のいく合わせやすい上司でした。

 

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特にこの3点が非常に強い本当に仕事のできる度合いで行ったら突出した上司でした。 

 

ただ、その上司がこのレベルに至るまでにはその上司も様々な経験を重ねてきているようです。

 

ここまでのどストレートで淀みないロジックをものすごい速さで展開するまでに人生のたくさんの部分をそぎ落としているみたいでした。

 

私生活も削っているようですし、四六時中仕事のことを考えているといっても過言ではないぐらい仕事のことを考えています。

 

おそらく、仕事上で強くあることが自己実現の一つなのかもしれませんが、とても振り切った上司で恐怖を感じることもありましたが、本当に頼りにできた上司でした。

 

ここまで極端にはひっくり返ってもなれませんが、上記3種の力量は管理職としての実力として必要な物であると言えます。

 

優先順位の低いものはいち早く切り捨て、無理な追いかけ方はしないこと。

そして、求められている分まで到達し、それ以外には関心を持たないこと。

 

部下時代はある種のこだわりや回り道をして正解にたどり着くステップも必要です。

急がば回れではありませんが、試行錯誤を繰り返したり、今までにない方法を求めたりしながら自律的に動くことは悪いことではありません。

 

ただ、管理職としてはこのついてくる部下を最短距離で誘導し、最高速で走らせるために惑わせない明快さという点は重要と言えます。

 

ある部分は反面教師ですが、ある部分は見習いたい非常に個性的で印象深い上司の話。