そこのお前の外資系勤務と与太話ブログ

凡人が行く外資系企業勤務やキャリアの与太話や裏話。緩いのと辛いのまぜまぜ。人見知りやビビりだって人生案外イケるじゃんって思ってもらうための与太話。毎週月曜・水曜・土曜日更新予定

【キャリア】法曹になることが本当に儲かるかずっと考えていた話【進路】

働き方改革の蚊帳の外の最強戦士たちのエグさの話

法曹と進路を迷っている方がいたら、こんな考え方もあるんだよ~っていうご参考にしていただければと思います。

 

さて、そこのお前は大学時代、法律を専攻していました。

なんなら、弁護士になりたいなと思って法学部の門を叩きました。

(※あんまり向いていないことが分かったので、結果的にはあきらめざるをえませんでましたが。。。)

 

そのため、自分の周囲には割と多くの弁護士・法曹関連の友人がいます。

 

さて、そんな圧倒的な競争を乗り越えた頭脳バケモノの弁護士ですが、基本的に労働時間を気にしない職業ではあり、彼らは頭脳労働界のアスリートといえます。

 

彼らは土曜日も日曜日もなく働きます。

週の労働時間が100時間に到達することもあるそうです。

 

彼らは司法試験の通過を経て、頭脳的ハードワークになれていますが、それでもものすごい時間です。

週100時間だと、一日約17時間働いて、ようやく日曜日だけ全休が取れるのです。

 

月間に換算すると約450時間。、所定労働時間が平均的40時間だったと仮定すると、270時間程度の残業です。

 

もはや想像の埒外ですが、彼らはこれぐらい働くことがあります。医者に負けず劣らず恐ろしい業界です。

 

法律というフィールドで思考を展開し、そこから導かれる結論や戦略を世の中に提供することで生活します。

半端な体力では及ばない世界ですし、実際多くの弁護士は勉強時間も含めて基本的に職業をすべての中心に据えるそうです。

職業中心の生活、時間管理、金銭管理、交友関係整理などなど。

 

普通のサラリーマンよりもずっと烈度高くこれらのコントロールをしています。

その希少性と効果ゆえにものすごい時間単価の依頼料を実現します。

 

優秀層の所得はとんでもなく高いです。

初任給で1000万を超える事務所すらあります。

そういった事務所は、東大法学部東大法科大学院卒!司法試験は上から数えたほうが圧倒的に早い合格順位!ってな方々がそういったえげつない世界の門を叩きます。

 

サッカー選手や野球選手にも1球あたり、試合当たりいくら?などと換算されたりしますよね。

ソフトバンク時代の松坂は1球が1億円に届こうという勢いでしたし、メッシやクリスティアーノ・ロナウドは週給換算で何万€か?などと言われていますね。

 

知り合いにそういう超大手事務所所属弁護士同士で結婚した夫婦がいますが、もはやパワーカップルなんてレベルではありません。

世帯年収が20代中盤にして2~3000万円です。

もはや想像もできないような世界ですね。。。

 

実際、お金を使う暇すらないようですので、どこかでキャリアを落ち着かせることになるとは思うんですが、それにしても収入に見合うだけの労働のエグさだと思いますよね。

外資系戦略コンサルタントなんかよりも格段に稼いでいるというわけです。

(もっとも、キャリアのスタートが他の業界の優秀層に比べて2年から4年程度遅れを取るため、年齢別収入レベルではそこまで圧倒的な差が出るわけではありませんが。。。)

 

医者の残業時間についてはこのほど検討がなされていますが、弁護士の労働時間についてはどうなんでしょうかね。

 

 

。。。

 

。。。

 

なんて考えながら、ずっと考えていたんです。

 

頭脳アスリートとも言っていい弁護士は本当に儲かるのか!?

 

と。

 

冒頭の過程の若手時代の労働時間

月間450時間、年間5400時間。

年俸1500万円(かなり高い層です)

上記仮定では時間単価だと彼らの稼ぎは約2780円です。

 

自らの時給と比べてみると差がわかると思いますが、同じ働き方をした場合の日系大企業レベルの給与とそこまで変わらないと思いませんか?

特に残業代が同時間分ついたとすれば本当に手の届かない領域でしょうか?

ちなみに標準労働時間の約2倍が残業、当然深夜または休日にもはみ出すので、当然割り増しがあり得ます。

 

ざっくり比較してみましょう。

  • 弁護士が通常一年目になる26歳程度をベンチマークとします。

  • 日系大手との比較をしますので、モデルとして標準給与を26万円と仮定、月間標準労働時間を約165時間とします。

  • 弁護士と同じだけ働いたと仮定して、はみ出た275時間を標準的残業代割増率25倍、

  • はみ出た275時間の内、深夜早朝休日時間に該当すると予測される3割(90時間)を5倍で計算してみましょう。

(※ちなみに、この26万円、大体月間30時間残業、ボーナス4か月分と仮定して、年収がちょうど500万円程度になります。弁護士の約3分の1ですね。)

 

まず、ベースの月給26万円

これを時間単価に直すと1580円/時

 

残業代

通常残業=1580円×1.2倍×185時間=36.5万円

深夜早朝・休日該当分=21.3万円

 

合計で約84 万円/月です。

これを一年通した場合、1008万円

 

民間企業ではこれとは別にボーナスがありますね?

月給の4か月分とします。

すると、104万円

しめて、1112万円です。

 

まだ390万円弱の差が出ていますが、実際、時間単価に直してみるとかなり肉薄したと思いませんか?

給与が高い民間企業の場合、この差はもっと縮まり、場合によっては追い付いてしまいます。(総合商社・金融系など)

 

もちろん、こんなに残業ができる企業でなおかつ残業代もそのまま出る企業は存在しないと思いますので、大量に働かされたとしてもこれだけの金額を短期間にもらえるというのはすごいことですが。。。

 

日本文系最強と言っても過言ではない集団に対する対価と大きく違わない効率で得ることは不可能ではないのです。

 

というか、まっとうな弁護士軍団はもっともらっていいんじゃね?って思います。

 

しかもそんな長時間労働って30代を超えて40代になっても続けられるような甘いものではありませんし、プライベート時間はほとんど焼失します。

 

更に、名だたる大手事務所に属さない中堅どころ、半大手の事務所はここまで働かないものの、その分年俸も低めになります。

すると、基本的には狭い業界で、収入情報も割と共有されていたりするようなので大手事務所をベンチマークに規模差に合わせて相場が下がっていくそうです。

 

場合によっては500万円や600万円でおそろしいほど長い時間を使い尽くされる事務所も存在するという噂です。

そういう場合、雇う側は法律のプロなので、対策も完璧です。そんじょそこらの中小企業のように無対策で労基にかけ込まれて大慌てなんて下手は絶対にこきません。

(※この話は既存事務所に所属する弁護士の場合です。自分で事務所を開業したりすることができればまた違います。)

 

 

ということは最高を2700円~3000円程度として、どんどん下に推移します。

この金額、場合によっては日系の非管理職の内にも到達できる可能性すらあります。

 

そう考えると、

本当にコストパフォーマンスのいい職業か?という意味では疑問符が付きます。

 

今の時代では最先端のIT関連エンジニアの方が稼ぎが多いかもしれません。

 

さらに、法曹になるにあたって一般的な人は学部の法律履修とロースクール、司法試験合格と司法修習で就業までに通常最短で4年を費やします。

その間、彼らは1日12時間や15時間を平気で授業と受験勉強に費やします。

 

もちろん中には圧倒的に要領がよく、頭も抜群にいい人もいますが、多くの人はこれぐらいやっていましたし、4大事務所と呼ばれるようなところに入る人たちはものすごいハードワークでその狭き道をつかみ取る人たちでした。

 

もちろん、そこまで圧倒的な事務所に行かなくても、基本的に民間企業以上のハードワークが相場の業界です。

 

その苦労と成功可能性、その先に続く一生勉強し続けることを考えると、ちょっと収入低すぎやしないかな??というのが素直な感想です。

逆にそれよりもイージーだけどもっともらっている人たちがもっと勉強しろっていう事ですかね??笑

 

弁護士はそもそも労働者ではない。 

 

弁護士はもともと個人事業主という扱いとなります。

すると当然残業と定時という概念は存在せず、その他のいわゆるサラリーマンが享受できる利益も対象外なものが多いです。

確定申告も自分で行う必要があり、税理士をつけたり、自分で対応したりしながら、本業でのハードワークをこなします。

 

当然、受験生時代からハードワークして当然という環境下で育ったので、弁護士はたいてい、かなり根詰めて働きます。

 

それにクライアントも、せっかく弁護士を雇っているのだからお金払っている分、使えるだけ使い倒す!という考え方の人もおりますし、中には一生を左右するような大問題を弁護士にゆだねる場合もあります。

 

なので、その仕事の重たさを考えるとますます彼らはハードワークを強いられるようになりますし、クライアントが思った通りに行かなければ彼らは非常に強い批判を食らう立場にいます。

 

そういった評判のリスクがそのまま彼らの弁護士としての評判に直結します。

年を経るごとにうまいさばき方はわかってくるようですが、若いころは泥臭く時間を使って、時には教えを乞いながら下積みをしていくそうです。

 

そんなアスリートキャリアを迎えるよりは民間企業の方が選択肢も多く、つぶしが利くなぁと考えた次第です。

同時にそこのお前が興味を持っていた海外でのキャリアもより手の届くところにあるという観点からそこのお前は法曹を諦めました。

 

ましてや、あんな頭脳バケモノたちと張り合って、上記のびっくりするような大手に入れるとは到底思えなかったので、その時点で法曹から思考を離して、自分がのびのび生きることができるであろう環境を探すことに注力することにしました。

 

正直、超がんばってそこのお前が行けたであろう弁護士事務所よりも今の方が時間単価でいえばいい結果になっているんじゃないかとすら思います。

 

ただ、この話、お金の面ではというだけです。

 

社会的な地位は弁護士の方が高いです。

 

仕事の内容は弁護士でなければできない仕事ばかりです。

 

正義や道徳、倫理観に基づいた社会的貢献の意義も非常に大きな仕事です。

 

もしかしたら人の一生を救うような仕事ができるかもしれません。

 

人を救うという側面も多分にある職業です。

 

 

そういった仕事に純粋に魅力を感じている人はぜひ志望を継続してほしいです。

 

悪徳弁護士も中にはいますが、知り合いの弁護士たちは本当に素晴らしい人たちが多いです。

一生かかっても敵わないなぁなんて素直に尊敬できます。

 

 

それゆえに、

・金銭的なメリットだけで弁護士を目指すには割に合わないと思う瞬間が多いですし、目指さない方がいいこと

・自分の時間を犠牲にしても何か弁護士という仕事を通してやりたいと思える以外はいばらの道であること

 

これを外の立場から彼らを見ながらそこのお前は感じています。

 

誰かになれと言われたから、なっといた方がいいかもな。。。というような消極的な理由は職業の大変さからもお勧めできませんし、とりあえず勉強を続けたらできたから弁護士になった。というような弁護士には仕事を頼みたくありません。

 

進路に迷いなく法曹!といえる以外は踏み出さない方がいい領域だと思います。

 

まぁでもそこのお前はいまだにかすかに憧れというか未練があったりしますけどね笑

もうごちゃごちゃ言っても仕方のないことです。

法曹を選択しなかったことは、そこのお前にとって、その時の最善の判断だったのは間違いないです。

 

それじゃ!