【人生】外資系企業の理屈っぽい合理的な考え方で失ったもの【キャリア】
今日はこれについて書いていきたいと思います。
そこのお前、仮にも外資系企業につとめる人間です。
普段からひたすらに理屈や数字をベースに考えることを生業としています。
そんなスタイルを強化する上で得たものは非常にたくさんあるのですが、今日は失ったものに注目を当てたいと思います。
燃えるような衝動が消えた話
最近、そこのお前の目の前に転がっている仕事を見て、思うようになりました。
あんまり燃えるような状況はないな。
と。
何が何でもこれを成功させる
とか
何が何でもこの部分で勝つ
とか
そういった必死さを抱きにくい環境になりました。
それでも、日々不自由なく過ごすことができています。それは本当に幸せなことだと思います。
むしろ、失敗を恐れずにいろんなことをかなぐり捨てて一つのことに打ち込める方が贅沢かもしれません。
会社でも
このイノベーションとプロジェクトに社運を賭ける。死んでも成功せよ。
とか
ここで折れたら致命的なダメージを負う。負けられない。
とか
今まで誰もやったことがないし、成功するかどうかは不明だけど絶対に何とかして成功をつかみ取りたい。
こんな心が躍動するような機会からは遠ざかっている気がします。
もちろん、修羅場はありましたし、それをくぐり抜けようという瞬間にアドレナリンが爆発的に出るということはありましたが、それ逆境に落とし込まれた中で環境の強制されたエネルギーです。
内在するモチベーションの赴くままに進むということはほとんどありません。
実際、それに忠実になるより数字や論理、戦略、前例に合わせて行動した方があらゆる部分で安全であり、組織心理上のハードルが低いのです。
たとえ結果が悪くてもその時最善の判断であることを示すことができれば自分の心が負うダメージを軽減できたりします。
だから、キャリアの中では
死んでも甲子園に行きたい!
だとか
何があってもこの高校に受かってやる!
とか理屈を超えた衝動に突き動かされた行動や考えがほとんど消え去りました。
人によってはこれを大人になると表現する
えぇ、大人になりました。。。
さらに追い打ちをかけるのが、そこのお前が外資系企業勤務だということです。
外資系企業といえば多種多様なバックグラウンドを持つ人間が集まるところです。
なので、物事一つとっても感覚が違うことが多いですし、感じ方・受け止め方もしょっちゅうズレが生じます。
そのため、感覚に頼ることを極力少なくした上で数字やロジックに基づいて話をするということを重視します。
感覚を話すにしても極力それを数字と客観的事実に落とし込んで説明することを試みます。
完璧にすることなんて不可能なわけですが、それでも極力頑張ります。
そうでないと外国人連中は決して納得しないですし、時には彼らが感覚論で語ってきます。
なので、日本人的な労働や商売の美学、あるべき正義などはかなりがそぎ落とされます。
つまり、純ジャパであるそこのお前にとっては心理的には自分の行動を支える正義や使命のようなものを抱きにくい環境になっています。
もちろんグローバル企業としての使命に共鳴するようなものがあればいいですが、多くの場合は彼らは日本ではお金を稼ぐために会社を運営し、仕事をして生きています。
広告宣伝や企業ブランディングで様々なことを謳いますが、いろいろと皮をはげばみんな一緒です。
本国で成功したビジネスを他国でも広げ、スケールメリットをギンギンに効かせたい!
というだけです。
なので
要諦はいかに合理的に見せるか?
これに尽きます。
何をもって合理的とするかという点は企業ごとでもちょっとずつ変わるのですが、歴史の長い企業になればなるほど守り気味の姿勢に入るものです。
そこのお前が所属する会社はかなり多くの国に展開する企業であり、その中で日本という場所はいわゆる成熟したマーケットと位置づけられています。
日本での展開の歴史もそこそこ長いものです。
そうすると、とるべき選択肢の中で
・最も安全で最も効果が高いものを選ぶ。
あるいは
・多少効果が低くなってもより安定し、継続的に進めることができるものを選ぶ
これを重視します。
当然、たくさんの関係者がいるのであまりにも動きが激しすぎると彼らも困ってしまうので、周囲に配慮するという意味でも非常に慎重姿勢になりやすくなります。
まぁ要は、あまりびっくりするような冒険はしないという会社ということです。
GAFAに代表されるようなグローバル規模のIT系企業やベンチャー企業だったりするとびっくりするような冒険をするような企業もありますが、それとは無縁です。
そういう状況であることは非常に幸せではあるのですが、同時に安定させる代わりにムダな部分や効率の悪い部分は徹底的に切り捨てる主義です。
会社のカラーや個性を出すための冒険や効果のない投資は一切通りません。
まぁいいんです。
そこのお前も学生の頃はその時の夢やビジョンむき出しの取り組みを人生の中で何回かやってみました。
が、どうも芽が出ませんでした。
もっと粘って続ければ何とかなった可能性もありますが、あくまで可能性の話です。
そういう一点突破よりも選択肢を多く得られるための戦略を通した結果、ここに辿りつきました。
今では好きなことを仕事にしていい人間ではないという風に何となく感じています。
とはいえ、心が叫ぶやりたいこともあるんです。下記の記事のように。
逆に戦略的で打算的、合理的な部分というのは自分の中ではあまり好きな要素ではありませんが、この素質は昔からやたらと人に持ち上げられました。
たとえ厳しくても最後まであきらめずに好きなことをやるという形よりも冷静に戦略と策を積み重ねて勝つ。こういう戦い方の方が圧倒的に人生の重要な局面で勝ちをもたらしてきました。
どうしても漫画のように一撃必殺・ミラクル・無双・起死回生が起こるかっこいいストーリーは自分が主人公で世界が回ってくれることはありませんでした。
なので、あんまりおもしろいストーリーにはならないキャリアを選ぶことになりました。
ただ、外資系企業の風土自体はそこのお前にとっては非常にフィットしているようです。
人の感覚を理解するのが苦手なそこのお前には戦略的で数字や事実を優先する方がちょうど良かったのです。
ということで入社以降・徹底して相対的な強みである論理性・合理性を磨く道に乗りました。
そして、順調に企業の中では一定の評価は集めることができました。
そして、結果的に自分の心がもともと抱えるアツい想いを乗せる状況に逆に近づいている現実があります。
だから、いつもこうしてアツい想いだとか強い意志という部分は心の中にひっそりと隠しながら生きています。
多少遠回りで、直接的でなくとも常に安定的に戦略と目算を立てながら進めています。
そして、その合理性は同時にアツい想いとかこだわりを持つ情熱とか自らに内在する動機の大半を押さえつけることも多いです。
獰猛な意思が出番を淡々とうかがっているが、年を経るごとに強くなる合理性にその牙を抜かれつつあるようです。
だってそういう若さ丸出しじゃないほうが。。。
目標を定め、それに向けて戦略を立て、理屈に基づいて考えたほうが。。。
小さい成功ステップを時間をかけても積み重ねていけば高い確率で大成功を狙うことができるから。
会社と違って個人だったら大穴に賭けてもいいじゃん!って話もあるけど、上みたいな戦い方をしているうちに、その牙が抜けてしまったようだ。
アメリカンドリームのようなオールオアナッシングよりも一歩ずつしり上がりに調子を上げるほうが心が幸せを感じるようになってしまった。
いいのか悪いのかはそこのお前にはわかりません。
でも後悔しないと腹の括れる決断をしてきた自信はあるので、自分を信じて進むのみです。
これは確かにそこのお前が取捨選択したスタイルです。
そう合理性に基づいて。。。
失ったもの多いですけど、得たものも多くあります。
どこに行っても何かを失って何かを手に入れるものですが、そこのお前が外資系企業にいること
アツい想いや個人の美学に基づいて芯の太い行動をする
という不器用で美しい考え方は失ってしまったかもしれません。
(※すべての外資系企業がそうとは限らないです!)
もしかしたらこれは外資系企業に限らないかもしれませんが、理屈っぽく、合理性を追求するという事は絶対的正義ではない中で、そこのお前が唯一社会を泳ぐ上で様になる戦い方です。。。
いずれ、またアドレナリンギンギンの仕事をする時期もほしいな。
なんて。。。
その時にさび付いて動かないなんてことがないようにしたいなと思います。
まったね~!